122日に発生した笹子トンネルの天井落下事故から1ヵ月以上経過した19日に緊急点検の結果が各報道機関を通じて発表されました。以下は

NHKと毎日JPの報道をそのまま掲載しています。

報道の内容を見ると設計ミスには言及していないものの、明らかなヒューマンエラーとメンテナンスを軽視した中日本高速株式会社の放漫経営体質が浮き彫り

になっています。

今まで行なってきたと説明のあった「目視検査」でさえ、結果から見ると「目をつぶって目視検査を行っていた」としか思えません。 即ち、完成検査、定期検査も

含めて得られた結果を定量的に文書化したものを審査し、不具合があれば対応する体質ではなかったと判断できます。 多分入札価格の一番の安い下請け

にまる投げなんでしょう。 

今回の事故のみならず、原発事故、電車の事故、放漫経営で破綻した企業を含めて、大問題が発生して調査を掘り下げて行くと、必ず企業としての問題が

浮き彫りになります。 どうして日本の企業はこんなのが多いのでしょうか?  お客様の利益と安全は大切だが、自企業の「数字」はもっともっと大切とする品格の

無い考え方が問題の中核なのですね。 きっと。

中日本高速株式会社のHPを除いてみると同社のCSR(Corporate Social Responsibility)として立派な理念が掲載され、それらをKPIに纏めて一覧

されていますが、我々が見ると・・・・ホントにこの内容を重視して運用しているのか首を傾げたくなります。  (KPIはこのページ下部に貼り付けたKPI表か、

貼り付けたURLから参照して下さい)。 

 

【ニュース詳細】

笹子トンネル上り 不具合1211か所

19 2144分先月、天井板の崩落事故が起きた中央自動車道の笹子トンネルの上り線で、中日本高速道路が緊急点検を行った結果、天井板を

トンネルの上部に固定するボルトの緩みを中心に、合わせて1211か所で不具合が見つかりました。

山梨県の中央自動車道の笹子トンネルの上り線で、先月2日、天井板が崩れ落ち9人が死亡した事故を受けて、中日本高速道路は、上り線のうち事故

現場を除く4.3キロについて緊急点検を行いました。

結果について会社側は9日夜、名古屋市の本社で会見し、天井板をトンネルの上部に固定するボルトで、欠落が5か所、緩みが1004か所、見つかった

ことを明らかにしました。

さらにコンクリートのひび割れが125か所確認されるなど、合わせて1211か所で不具合が見つかったということです。

会社側は「不具合は事故が影響した可能性もあるが、どの程度なのかは分からない。国の調査委員会に報告し、委員の意見に従い、再発防止に努めたい」

と述べました。

一方、会社側はこの上り線について、11日から天井板の撤去を始め、新たな換気設備を設置したりしたうえで、来月下旬を目標に開通させる見通しを明らか

にしました。

http://mainichi.jp/graph/2012/12/02/20121202k0000e040116000c/image/030.jpg

 

定期点検で発見の可能性も

今回の緊急点検で笹子トンネルの上り線で見つかった不具合の中には、中日本高速道路が事故の前の去年9月に行った定期点検で発見できていた

可能性がある不具合もあり、国の調査委員会は、点検が適切だったのかさらに調べることにしています。

中日本高速道路は、事故の2か月余り前の去年9月、笹子トンネルで定期点検を行い、崩落した天井板をトンネルの上部に固定しているボルト付近

については、ハンマーでたたく「打音検査」は行わなかった一方、担当者が双眼鏡などを使って目で見て確認した結果、直ちに補修が必要な不具合は

なかったと説明してきました。

しかし、今回の緊急点検では、トンネル上部のボルトそのものが5か所で抜け落ちていたのが見つかったほか、ボルト部分をまたいで延びるコンクリートの

ひび割れが125か所見つかりました。

また、天井板をつり下げる金具や、比較的低い位置にある天井板を載せる台でも、ボルトが合わせて22か所で抜け落ちていました。

国土交通省によりますと、こうしたボルトの欠落やコンクリートのひび割れは目視でも確認ができ、定期点検が適切に行われていれば発見できていた可能性

があるということです。

国の調査委員会は、事故前の点検が適切だったのか、さらに詳しく調べることにしています。

 

 

下のKPIは同社のHPから引用 (http://www.c-nexco.co.jp/corporate/csr/group_csr/)

 

写真と情報はNHKニュースと毎日jpから引用しました。