今年1月の車検の際にブレーキパッドの残厚が4mm以下なので、交換したほうが良いと言われた。 費用は前後4輪のブレーキパッド、

ディスクローター、センサーを交換すると工賃込みで概ね12万円とのこと。 そこで自分で再確認したがローターはまだ厚さは充分。 センサー

はまだ磨耗限界を検知してないので交換の必要は無い。 リアパッドはフロント程に磨耗していないので、暫く様子を見よう。 あと2年もてば

良いのだ。 フロントだけ自分で交換することにした。

 

そんな訳で、バッテリーと同様にネットで調査開始。 純正品製造元のAte製ブレーキパッドを探し出してフロント分のみ5800円で調達。

交換手順だがこの車でのパッド交換は初めてなので、これもまたネットで探すと・・・あったー 親切な人がいるものだ。手順をYouTube動画

で紹介している。 英語だがとても分りやすい。 アメリカにはこんな人が多いな。 以前もエアバッグセンサーの故障の時もアメリカのDIYサイト

で解決方を知ることが出来た。

http://www.diymybmw.com/e46/

その他、日本のサイトにも秀逸な情報が沢山掲載されているので、これらを参考に自分なりに纏めて、本日いよいよ実作業に突撃!!

そうそう、デジカメも絶対必要です。 部品を外す前にアチコチ写真を撮っておくと組み付ける時にとても便利です。

 

 

Step 1

ブレーキ系なので作業ミスは許されない。 まずメンテナンスマニュアルを調べ、必要な部品、ツール、手順を含んだ作業指示書を作成する。 

次に必要な工具と部品を揃える。 今回、調達したのは、 フロントブレーキパッド、ブレーキパッド用耐熱グリース、バンジーロープ付きフック、

ブレーキオイルを吸い取るオイラーとブレーキクリーナー。 外した部品、工具を載せて置くために100均で購入したステンレス製トレイ

(とても便利)。 合わせて8000+α程度。

 

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 正式マニュアルを調べる        手順書を作成                           工具と部品一式            

  

 

Step 2

まず、タイヤを外す。 アルミホイールの場合、締め付けトルクが大きいので車載工具では私にはキツイ。 写真の様な伸縮できるレンチを

使う。 オプションでアルミホイールを付けている人は車載工具を使って一度試してみることをお勧めします。

 

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アルミホイールのネジは固く締っています    

 

 

Step 3

・タイヤを外したら、ブレーキ・キャリパーおよびブレーキ・ローターに付着したブレーキダストを念入りにクリーニングする。 

 

・右上の写真でキャリバの2つの穴にまたがってセットしてあるAnti-Rattle Clip(バネ)をマイナスドライバでこじって外す。

 

・次にキャリバー裏側にあるスライドピン穴のゴムキャップ上下2個を手でひねって外す。(下左側写真の中央) 

 

・キャップを外してから中にあるスライドピン・スクリュー(Brake Caliper Guide Bolt)7mm Hex レンチで緩める。 

しかし固い・・思い切り力を入れて廻す・・・グハー・・少し廻り始めた・・・・廻った!!・・・と思ったら・・・7mm Hex レンチビットの

底穴1/4インチSq.とラチェットレンチの3/8インチSq.トップを繋ぐアダプターがねじ切れてしまったー(下中央写真)

   Orz.  暫く立ち上がれず脱力・・・。 ガックリ                      

仕方がないので一服つけながら考え直す。 (=´ω`=y─┛~~

 

本来は7mm L型アレンレンチがあれば良いのだが、近所のホムセンとかアストロ・プロダクツにも売っていないので、手持ちの7mm

ラチェットレンチ用ビット(底穴1/4インチ角)を使ったのが間違いかと反省する。

 

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気を取り直して何か代用品が無いかと近所のアストロ・プロダクツに向かう・・・・・アッ!ドアが閉まってる・・・と思ったら開店前だった。 

10時まで店の前で待って結局レンチ底穴が3/8インチの 7mmアレンレンチビットを購入。(写真上右) 先ほどの1/4底穴のもの

と比べるとかなり頑丈。    これで仕事が再開できる。

 

Step 4

ディスクブレーキは普段はパッドに力がかかっていないので、ディスクとブレーキパッドはピストン・シールと呼ばれるゴムの反発力で少し

だけ浮いている。 軽くこすれている様に見える。 別の言い方をすれば、両者の隙間は僅かだ。 隙間の調整方法は無い。

パッドを外すには、上記スライドピンを抜いた後に、大型のドライバーを使って貝をこじ開ける様に、パッドとディスクの隙間を押し開いて

キャリバーを分割しなければならない。 ローターにキズが付かない様に注意してこじって行くと、下左写真の様にキャリバーが

パカッと開いて二つに分割されるので、ブレーキホースが付いている側をバンジーロープ付フックを使ってぶら下げておく。(写真下中央)

ここでパッドを厚い新品に交換すると、その分パッドの押し出し量が減少(ブレーキピストンが引っ込む)する。 ピストンが引っ込むと

ブレーキオイルの総量が同じだとリザーバタンクから溢れてしまうので、予め抜いておく。(写真右)

 

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Step 5

写真下左側がブレーキピストンの写真。 真ん中にスライドするブレーキピストンが見える。 下中央はパッドの厚さが増加する分だけピストンを

C-Clamp(しゃこまん)で押し戻しているところ。 驚くのは、このピストンはブレーキをかける為にパッドに圧力をかけるがブレーキペダルを戻しても

圧力が抜けるだけで事実上殆ど動かない。 固くて手で押し戻すのは無理です。

写真下右はパッドがスライドする部分をワイヤブラシで清掃。 パッド用耐熱グリースは、キャリパー本体とパッドが擦れるスライド部分(写真下右)

パッドの裏側とキャリバの接触部分、ブレーキピストンとパッドの当る部分に限定して塗布する。 

くれぐれもローターとパッド間には付着しない様に注意する。

 

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Step 6

ブレーキパッドが磨耗している場合は相手側の、ディスクローター側も同様に削れていて凹んでいる。 

 

・パッドのみ新品と交換する場合は、パッドの角を少し削って交換直後のすり合わせを良好にする配慮が必要だ。 下左側写真の

パッド4枚(12枚)全て削っておく。(写真はグリースを塗る前)

 

・パッドを組み込んだキャリバーを、最終的な位置にセットし、 薄くシリコングリスを塗布したスライドピンをセットしてから7mmアレンレンチで

キャリパーを固定する。 尚、スライドピンのグリス塗布はメーカーによっては禁止している場合もある

ので注意する。 その後Step3で外したゴムキャップ上下2個をかぶせる。

 

Anti-Rattle Clip(バネ)をキャリバにセットする。(バネの凸部をキャリバの2つの穴に合わせてセットし、ポンと叩き込むだけ)

 

・次に、ブレーキパッドセンサーをブレーキパッドに差し込む。 このセンサーはパッドが規定以上に磨耗すると、ローターとこすれて断線し、

警告をメーターパネルに通報する。 写真では少しボケているが、軽く擦れた痕跡が見られた。

パッドをキャリパーにセットした後、下右の写真の様に、キャリパーの穴から左前輪のディスクパッドのベース板にパチンとはめ込む。  

その後、ローターとその周りをブレーキクリーナーで清掃する。 

 

【再確認】

キャリバを固定しているのは2本のスライドピンとAnti-Rattle Clipだけなので、これらが正しく組み込まれているかを確認する。

 

以上の写真は左前輪のパッドを交換した時のものだが、右前輪の作業もパッドセンサーを除き同様だ。 

これで90%作業終了。

 

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Step 7

運転席に戻り、走りたい気持ちを抑えて、ブレーキペダルをゆっくりと踏む。 じわーっとペダルが沈み込んで行く。 これは新品パッドを取り付ける

為に、ピストンを押戻しているので 前輪2輪交換の場合でも下写真の左側のオイラーに入った分だけ、容積的に隙間空間が出来ている為だ。 

かなり奥までブレーキペダルを踏み込んだ後、ペダルを戻してから再度踏み込む。 これは、リザーバタンク内のブレーキオイルをブレーキパイプと

ピストンに戻す操作です。

(通常、ブレーキペダルを一度だけ踏む操作ではこれだけの量のオイルをブレーキシステムに送り込めないので、この操作をしないで走り出すと、

まず一回目のブレーキは全く効かず、ペダルを思い切り踏み込んだまま衝突するのは間違いない)

 

さて、前述の操作でブレーキペダルの踏み込みが浅くなったら、下写真右側のブレーキオイル・リザーバタンクの液面を確認する。

規定に達していなければ、作業前に抜いたブレーキオイルを補充する。

タイヤを装着する前に、もう一度チェックリストの確認を行う。 (=´ω`=y─┛~~

チェックリストの確認OKであればツール、旧部品とか使ったウエスが全て回収されていることを確認する。

上記全ての確認後、タイヤを装着する。 装着後、タイヤがスムーズに回転し、異音が発生しないことを確認する。

 

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【おわりに】

ブレーキパッドを交換直後に走り出すときは低速時に一度ブレーキを踏んで、効きと異音の確認を行う。 初期はググッとかシャーとか

の擦れる音が発生しますが異常では無いと思います。 その後は新品パッドとディスクローターの当たり面が馴染むまでブレーキ性能

100%発揮できないので、注意して運転する。

     

作業日             2013.03.05

走行距離:        69,307Km

 

以上

 

 

2013.04.12 追記】

パッドを交換してから1ヶ月少々位経過したのでレビューします。 

純正パッドは40Km/h位の中速走行時にブレーキペダルを踏み込んでからブレーキが効き出すまで若干の遅れと云うか非直線的な

減速性能を示す傾向があり、少々緊張を強いられるケースがある。 (これは、ブレーキパッドの磨耗に関係なく、以前からの傾向である) 

例えば渋滞時に中速度で走行中に前の車が急ブレーキをかけた場合、こちらもブレーキを踏むが頭で思う程減速しないので更に強く

ペダルを踏まねばならず思わずヒヤリとしたことが何回かあった。 しかし、今回Ate社製のパッドに交換後はブレーキを踏み込んだ

直後から直線的に減速するので信頼感がある。 止まる直前の感触も純正の様にネチャッとしなくてスムーズに止まる。

ブレーキダストも大幅に減少した。 気に入ったので今度はリアを換えてみたい。 私の使い方では 評価 Aです。

 

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ブレーキパッド交換 DIY チェックリスト

 

【新たに用意したものは以下です】

 ・□ブレーキパッド前一式(Ate)

 ・□パッドグリス

 ・□7mmの六角レンチ(ビット)

 ・□C型クランプ

 ・□ブレーキフルードを抜くスポイトかオイラー

 ・□面取り用の金ヤスリ

 ・□掃除用の金ブラシ

 ・□ブレーキクリーナー数本

 

【事前準備】

 ・□金ヤスリでパッドの面取り

 ・□ブレーキフルードを少し抜く

     L R

1.    □□ ジャッキアップしてタイヤを外す。

2.    □□マイナスドライバーをパッドのとこに突っ込んでこじり、ピストンを少しだけ押し戻す。

  3. □□キャリパーの板バネ(Anti-Rattle Clip)を外す。

  4. □□キャリパー裏のメクラキャップを外して、7mm6角でボルトを外す。(2)

  5. □□キャリパーをこじって外す。

  6. □□キャリパーやローター、ホイールの裏側を掃除する。

  7. □□C型クランプでピストンを押し戻す。

  8. □□パッドグリスを裏面に塗った新品のパッドに入れ替える。

9. □□ブレーキクリーナーでパッドとローターの接触面他を掃除する。

 10. □□逆の手順で組み付ける。

 11. □最後にブレーキをしっかり踏みこんでオイルをビストン側に戻す。

12. □ブレーキのリザーバタンクの油量を確認し、基準以下であれば補充する。