【エアコンの匂いがひどくなった】
我が愛車は13年間の長期使用の為か、冷房運転にするとエンジンをかけてから暫くは
エアコンから吹き出される空気がひどい匂いで
家族からも評判が悪い。 多分、これはエアコンのエバポレーター(熱交換器)に汚れとカビが付着した為と思われる。
健康に影響を及ぼす前にエバポレーターの掃除をしなければいけないと思いつつ、対応方法が決まらず、更に何年かの月日が経過して
しまっている。
ここで対策方法を思いつくまま列記すると;
@
ディーラーにエアコン周りの清掃を依頼する。
メリット:
安心である。 金さえ弾めばかなりキレイに掃除してくれる。
ディメリット: 1万円程度のコースでは、消臭がメインなので効果が数ヶ月程度。キチンと掃除してもらうと数万円かかるらしい。
A
オートアクセサリとして売っている消臭スプレーを、エアコンの空気取り入れ口から吹き込む。
メリット:
エアコン清掃用のスプレーは車には使えないが、車用の消臭スプレーは何といっても価格が安いし一定の効果が
得られる。
ディメリット: 汚れを落とす訳ではないので雑菌は期待できないし、消臭効果も数ヶ月程度しか持続しない。
B
エアコンの空気取り入れ口周辺を分解して、エバボレーターを露出させて、家庭用エアコンクリーナーとスチームで直接洗浄する。
メリット:
エバポレーターをエアコン清掃スプレーやスチームクリーナーで直接洗えるので清掃と除菌が同時に出来る。
ディメリット: エバポレーターはコンソールボックスの裏側に位置するので室内からでも室外からでもアクセスが困難であり、
作業時間もかかる。
一番良いのはディーラーの数万円コースだろうが、それでは車いじりを趣味とする自分としては後悔が残るし、第一そんなに金が出せない。
消臭剤をスプレーする方法は効果が一時的だし、汚れを落とす訳ではないので、あまり意味はない。
DIYで車を分解して清掃するには、しっかりとした事前準備とリスクを覚悟する気合と時間が必要だ。・・・とするとリスク・インパクト
の少ない古い車に乗っていて、時間は充分にある自分の解はBしかない。
そんな訳で、事前準備を始める。 まずマニュアルでエバポレーターにアクセスする為の構造と作業ステップを確認する。 次に、いつも
のアメリカのD.Y.Iサイトを調べて先人の紹介する手順を学ぶ。 日本にも「みんから」等、この車種のDIYサイトがあるが、多くは
アクセサリの取り付けとかショップでチューニングした紹介が多く、自分で直接行なった修理を掲載するサイトは少ない。
日本は整備士の資格を持っていない人が重要保安部品を整備/交換することに対して社会的な目が厳しいので仕方が無いと言えば仕方が
無いが・・・・・。
(但し、法的には自分の車なら、無資格で分解整備を行っても違反では有りません。然しながら他人(友人等)の車両に対して整備を行う
と違法になります。あくまで整備不良に起因した事故等については自己責任で処理されます。
また、個人整備の場合は保守管理上、整備記録簿に遅滞なく作業内容を記録しなければならないとあります。)
http://www.diymybmw.com/e46/blower-fan/
(U.S. E46
DIY Forum)
【手順】 (説明の番号は写真の順番です)
(1) まず、エアコンクリーナー、スチームクリーナーおよびトルクス・スクリュー用ビット、その他必要工具を用意する。 外したネジを
入れておく赤い磁石付きトレイは便利。 その他、デジカメと部品の落下防止対策、車体の防キズ対策、その他で使用する古いバス
タオルがあればとても便利。
(2) 外気取込フィルタ・アッセンブリを外す為に、フィルタアッセンブリのハウジングを使って留めている配線類を外す。
(クリップ付き配線ガイド)
(3) フィルタ・アッセンブリのハウジングを固定しているT30トルクススクリュー4本を外す。外したスクリューが下に落ちないように
バスタオルで養生する。
(4) ハウジングの上蓋をスライドして抜き取ると、両側に更に2本のトルクスがハウジングの左右に1本づつ計2本現れる。
この後でブロアファン・カバーを外す際にワイパーのリンクが邪魔になるので写真の様にワイパーを上向きにして止めておく。
(1) 工具類
(2)ケーブルを外す (3)正面のT30スクリュー4本を外す (4)更に両端の2本を外す
(5) これらも、養生しながら外すが、実はここのボルト2本については裏側に落下防止クリップが付いており、抜け落ちない構造に
なっている。 更に黒い樹脂クリップを手で90度反時計回り(CCW; Counter Clock Wise)に廻して外す。
(6) フィルターアッセンブリのハウジングを外すと、奥にエアコン用のブロアファンのカバーが現れる。T20タッピング1本と板バネ
状のクリップ・スプリング2本を外す。
(7) ここまで外したスクリューは合計8本。 黒い樹脂クリップは90度左に廻すと抜け落ちるので注意。手前のT20タッピングは、
ファンカバー用。 左上4本はハウジング固定用のT30トルクス。 右上はエンジンカバー固定スクリュー2本。
(8) このファンカバーがなかなか外れない。 下の方に板バネのクリップ2本があるが、これらをドライバー2本を使ってこじりながら外す。
その後、この板バネをファンカバーの裏側に無理やり押し込む。 そうするとファンカバーが楽に動かせるようになるので、カバー全体
を引っ張り上げながら上部を手前に引いてブロアファン本体から外す。
外れたらファンカバーを知恵の輪の様に180度ひっくり返すと狭いスペースからカバーが取り出せる。
(5)養生しながらT30スクリューを外す
(6)
(7)
(8)皆さん、ここで苦労する。
(9) ようやくブロアファンが現れた。 フィンはそれ程汚れていない。 ファン固定スクリューはかなり奥で、落としたらアウトです。
今回はブロアファンを外さないでエバポレーターのクリーニングを行うことに決定。
(10)ファンカバー上部のツメは、こんな感じで内側に向けて付いているので、外すときは手前に引かなければならないので結構苦労する。
(11)ブロアファンの隙間から、エバポレーターが現れた。 ホコリがびっしり付着していて、思わず「きったねー」と叫んでしまった。
(12) エアコンクリーナー・スプレーの先にチューブを付けて奥の方に洗浄液を吹き付ける。
(9)
(10)
(11)
(12)
(13) 暫く放置後に、スチーム・クリーナで高温蒸気を吹付けて再度クリーニングする。エアコン冷媒の沸点が低いのであまり熱く
ならぬ様、注意。
(14) クリーニング後の写真。 残念ながらエバポレーターが良く映っていない。 左下にファンカバー固定用の板バネ状クリップが見える。
(15) 折角、ここまで開けたので、エンジン上部の状態を確認してみる。
(16) 電装品、ゴム製のチューブ等をチェックしたところ、どうやらVentホースのカーブ外側部分が凹んでいる感じで劣化している様だ。
(13)
(14)
(15)
(16)
(17) Ventホースの反対側は問題ない様だが、様子を見て交換する必要があるかも知れない。 今回はそのまま蓋をすることにした。
(18)フィルター・アッセンブリのハウジングは左右2本の位置決めピンがあるので、その位置を合わせてからT30トルクス6本で
固定する。
(19)作業終了後、全体を眺め作業ミスが無いかをゆっくりと確認する。(=´ω`=)y─┛~~
(20)クリーニング後に初めてエンジンをかけエアコンを作動させる時は、吹き出し口にタオル等を置き、クリーニング直後の埃の
飛散を防止する、
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(18)
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(20)
以上で、作業終了! いやな匂いは全くしません。 成功です。
作業日
2013.04.25
走行距離: 70046Km