自分の車はサンルーフが装備されているが、子供はここから顔を出すのが楽しいらしい。 勿論、走行中はそんなことをさせないが、駐車中に

3人の孫達がここから顔を出してバタバタと暴れていた。 子供だから飛び跳ねたりして荒っぽい。 暫くこんなことをさせている内に、

トラブルが二件発生した。

 

 

【エアバッグ警告等が点灯】

一つ目は、エアバッグ警告等が常時オンになってしまったことだ。 この警告等が点灯すると警告エリア範囲のエアバッグが動作しなくなる。 

OBDUテスター(故障診断装置)で確認すると助手席の着座センサー断線のエラーコードが表示された。 普段はお尻で接触する面なので

センサーワイヤを保護するメッシュガードは粗い目で出来ているが、子供の小さな足でバタバタと踏まれるとガードが役に立たずにセンサー

ワイヤーが断線してしまった様だ。 

放置しておくと事故が発生したら危険なのでアメリカのDYIサイトから情報を得て、着座センサーを常時オンにする改造を行うことにした。 

こうすればいざという時には助手席側に人がいても、いなくてもエアバッグが動作する仕組みなのだ。 このトラブルは傾向故障であることが

分ったがリコールの対象になっていない。 ディーラーで着座センサー交換を行うと10万円以上かかるらしいし、人手がかかるからか? 

キャンセラーの作り方は簡単で、着座センサーから出ているワイヤーを切断し、コネクタ部分にダイオードと抵抗を直列に接続すれば良い。(下記写真)

このキャンセラーと同じ様な自作品がヤフオクでも売られているので、かなりの故障率であることが疑われる。

 

http://forum.e46fanatics.com/showthread.php?t=615101&highlight=

 

RIMG1730 自作のエアバッグ エラーキャンセラー

 

 

【サンルーフの故障】

二つ目のトラブルは、サンルーフ内側のサンシェード(日除け板)がスライドしなくなってしまったことだ。 調べてみるとスライド時に

横振れを防止する樹脂製のツメが折れてしまっている。 このツメが折れたのでスライドしようとしてもサンシェードが斜めになってサン

ルーフのガラス板も含めてロックされてしまったのだ。 どうやら子供達がサンシェードの端を持って立ち上がろうと下に引っ張ったのか、

変な方向に力を加えた為らしい。 これも傾向故障の様だ。 この車のDIY修理サイトで調べるとかなり詳細な修理手順がアップされている

のを見つけた。 私のニーズにぴったり合った素晴らしい内容だ。 趣味性が高くて世界中で出荷台数が多い車はこれだから楽しくなる。 

投稿してくれた人に感謝しながら、一部の写真を流用させて頂いた。

http://forums.bimmerforums.com/forum/showthread.php?1388821-Pictorial-DIY-BMW-E46-Sunshade-Sunroof-Final-Fix

 

 

【修復手順】

コメントの番号は写真の順番に対応しています。

 

(1)  下写真 サンシェードのスライディングピース(P/N: 54138246027)が無残に上方に曲がり、横振れ防止のツメが無くなっている。

 

(2) 雨が吹き込むのを防止するゴムシールが剥がれていた。

 

(3) 早速ネットで対応策を調査する。 パソコンとデジタルカメラは情報の取得、作業記録の為に絶対に必要です。

 

(4) ディーラーに電話で部品の注文を行い、翌日入荷を確認後に自転車で引取りに行く。  しかし、豪華な包装パッケージだ。

おまけに、キチンとした納品書が封筒に入って添えられている。 それで部品の値段が1,575円。 アメリカでは2枚で $10.00以下

なので、高いと思うが綺麗なショールームで綺麗なオネーサンがコーヒーまで出してくれる。 部品以外のコストがスゴクかかって

いるのだ。

01_Broken_Slider_LH 02_Peeled_RubberSeal 03_AskingForumSite 04_BuyParts

(1)                                             (2)                                                 (3)                                               (4)

 

 

(5) 下左写真の左側が新品の部品(スライディングピース)、右側が壊れた部品。

 

(6) まず、ツールと油脂類を準備する。 グリースはデュラエースの金属用と樹脂(ケーブル)用のシリコン系を使うことにした。

 

(7) サンルーフのガラス(正式にはMoon Roof Glass) を留めている左側3本、右側3本のT25トルクススクリューを外す。

 

(8) 折れ曲がったスライディングピースを新品に交換する為に、T10トルクススクリューを外す。 右側が新品部品。

 

05_NewAndBrokenParts 06_Tools 07_Remove_6xT30 08_Remove_MoonRoofGlass

                   (5)                                                      (6)                                                 (7)                                               (8)

 

 

(9) スライディングピースを前方から注意深く差し込みT10 でねじ込む。

 

(10)写真は4箇所のスライディングピースのうち、左後ろ側。 ドライバーと呼ばれるグレーの樹脂でサンシェードを前後に移動する

 

(11)金属性のスライド部分はデュラエースのグリスを塗布する。 樹脂製の部分はシリコン系のグリースを塗布する。

 

(12)T25トルクススクリューは強く締め付けられないので、緩み防止剤(ロッくタイト等)を塗布する。 自転車にも使うことを勧めます。

 

09_ReplaceBrokenParts 10_SunshadeDriver 11_Greasing 12_LockTite

                    (9)                                                       (10)                                                 (11)                                               (12)

 

 

(13)おや!? サンルーフのガラスが下過ぎる様だ。

 

(14)良く見ると、ガラス固定用スクリューの部分がエロンゲート(elongate hole)になっているので、上下位置の調整が可能だ。 

 

(15) 最後にサンルーフ開閉スイッチを前方に20秒以上 長押しすると、メカ位置のキャリブレーションを行う動作が自動的に

開始される。 

 

15_NeedAdjust 13_ElongateHole 14_Calibration

             (13)                                               (14)                                                  (15)          

 

 

これで、作業完了。 自分でもメンテナンスの為のマニュアルを$100以上出費して活用しているが、やはり先人の経験を詳細に

説明したネット・フォーラムの書き込みにかなうものは無い。 最近は何をおいてもネット環境が必要ですね。

 

作業日              2013.04.25-04.26

走行距離:        70,046Km