(下のサムネール画像をクリックすると拡大します)
また車の故障が発生してしまった。 後席左側のウインドガラスが下がったまま動かなくなってしまったのだ。 スイッチを操作するとモーターがカチカチと唸る
のでヒューズ切れでは無い。 普段はこの窓ガラスは下げないのだが、今回も子供が暫らく振りに上げ下げした直後の故障だ。 結構子供絡みの故障が多い
感じだが、それくらいで故障するのは子供の責任ではないので諦める。 多分、老朽化の為だろう。もしそうであれば、他の部品もそろそろ故障するかもしれない。
今までの故障は機能的には問題が無いものばかりであり修理するまでの時間的な余裕があったが、今回は防犯上の問題から即座に対応する必要がある。
(1) まずはいつもの通り、ネットで対応方法を調べてみたが構造的に良く分からなかったのでサービスマニュアルを見て分解方法と取るべき対応策を考えてみる。
(2) ウインドレギュレータ本体かモーターのどちらかの故障だが取り敢えず開けてみよう。 ディーラーに修理してもらうと3万円から5万円以上かかるらしい。
(3) まずはドアの内張りを外すので、その固定スクリュー5本を外す必要がある。 写真はドアトリムを外しているところで、そのうちの2本がこの下に隠れている。
(1) (2)
(3)
(4) 次の1本はパワーウインド・スイッチの下に隠れている。 スイッチのコネクタを外した後にスクリューを抜き取る。
(5) 残りの2本はアームレストの下部の化粧カバーを外すと現れる。 こんな事はマニュアルを見ない全く分らないでしょうねー。
(6) ドア本体と内張りの間に樹脂製のレバーを差し込んでこじると、「バリッ」と恐ろしい音がして内張りが外れる。 写真の赤丸部分がネジ穴です。
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(7) 内張りを剥がすと、更に雨水の浸入を防ぐために一体成型された防水シールが現れる。
(8) 防水シールはプチルゴム主体の接着剤でしっかりと貼り付けられているので、破けない様に注意深くゆっくりと剥がす。
(9) ようやくウインドレギュレータが現れました。
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(8)
(9)
(10) あれっ? 変なワイヤーとスプリングが外れているぞ!
(11) T30トルクス3本を抜いてレギュレーターモーターを外してみると! ウィンドガラスを上下に引っ張るワイヤーがプーリーから外れてグシャグシャに
なっている。
(12) 更にウインドレギュレーター本体を外して修理可能か否かを調べてみる。 固定ナット(10mm)3個を外す。
(10)
(11)
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(13) 次にレギュレーターとウインドガラスを固定している接続スクリュー(8mm)を外す。(下左写真中央のボルト)
(14) レギュレーター本体を引き抜くと、ガラス側にはめてある赤い樹脂が表れる。 えっ!・・・黄色枠内に移っている気味の悪い白い手は何だ??
実はガラスに触るので白い手袋をはめた自分の手が反射して写っていたのでした。 自分でも一瞬ゾッとしました。
(15) ウインドガラスの固定が出来なくなったので、下に落ちないようにガムテープで養生します。
(13)
(14)
(15)
(16) これがレギュレーター本体です。 本来は左右両端からスチールワイヤがアーチェリーの弦の様に張られていて、中央のプーリーに巻き付きます。
プーリーをモーターで回すとこの写真の裏側に付いているスライド板(ガラスを8mmネジで固定している板:写真22)をワイヤーが左右
(実際は上下)に移動してガラスを動かします。
通常は、これをアッセンブリーで交換して修理は終わりです。 今回は故障原因の調査と出来ればレギュレータを修理したいと考え、更に分解
を進めます。
(17) プーリー下部を見ると外れたスチールワイヤーがプーリーとフレームの間に食い込んでビクとも動きません。 何故ワイヤーが外れたのでしょうか?
(18) 荒療治ですが、手前側がフランジ状になっているプーリーの軸を少し削ります。 これでプーリーが引き抜けます。()
(16)
(17)
(18)
(19) プーリーを引き抜くと、挟まっていたワイヤー部分がぐちゃぐちゃに捩れています。 でも切れていないのでまだ使えるかも。
(20) 捩れているワイヤー部分を伸ばし、プーリーに巻きつけてみますが、クセが付いてうまく巻けません。
(21) 何回やっても駄目です。 イライラしてきました。
(19)
(20)
(21)
(22) ワイヤの端を留めているスライドレール(ガラスに固定している部分)を外して確認します。(先程の写真の裏側)
(23) ありゃー・・・。ワイヤーを固定している筈の樹脂が割れていてワイヤーが固定できません。 でも故障の原因が判明しました。
推測する故障の原因はこうです。
@ ウインドガラスを閉める(上げる)際に、あまり開閉していないウィンドガラスと枠のゴムが固着気味となって動きが重くなり、結果としてワイヤの
負荷が増大した。
A ワイヤを固定している樹脂が引っ張り加重に耐え切れず破壊した。
B ワイヤーが外れ、巻き取りプーリーとフレームの間に挟まれて動けなくなった。 従ってガラスは下がったまま動けなくなった。
とのストーリーが有力と思われます。 やっぱり老朽化なのね・・・。
(24) ウインドレギュレーターを修理する為の万策が尽きました。 アッセンブリ部品を調達するか、この窓をはめ殺しにして動けなくなる様にしなければなりません。
部品代は12,000円位です。でもこの窓は殆ど開閉しません。 しかもこの車はあと1年半で廃車にする予定です。 取り敢えずはめ殺しにしよう!
そんなわけでモーターのコネクタを外し、窓を全閉にした上でワイヤーが緩まない様にネジ留めして対応しました。
この後は、分解した時と逆の手順でドアの内張り等を元に戻して作業終了です。
(22)
(23)
(24)
下の写真は対応後のウィンドレギュレータ全体です。
(25)
人も車も余命が短くなると多少の不都合は我慢して生き延びるしかありません。 お金をかけてその部分を元通りにしてもすぐに他の部分に問題がでて
追いかけっこになるからです。 でもその様に生きていると最後にはどうにもならない一斉崩落の悲劇が待ち受けているようです。
車も人間も良いコンディションを継続する為には、若い時の何倍も日常の努力と投資をしなければなりません。 従って今回は、車にかける原資と時間を
自分のコンディションを良い方向に向かわせる為に使うことにしました。 だって、部品代だけでも Continental Grandprix 4000S タイヤとバイクジャージ
が買えるんですから。 ねっ!(# ̄ー ̄#)
以上
追: 2014年10月19日
今度は右側後席のウィンドウガラスが、 スイッチ操作時に“バキン”と大きな音を出して上がらなくなってしまった。
仕方がないので、上記と同様にハメ殺しの応急処置を行なった。 モーターは問題が無い様子。
リアウインドウはあまり使わないので、カラスのスライドが重くなると思われ、その際にワイヤーにテンションを与えている部分の樹脂が割れてしまう様だ。
これは全くの傾向故障であるので、樹脂の使用を止めて金属のパーツに交換して欲しいものだ。