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先週の落花生を炒る作業を都合により休んでしまったので今回が最後の農業体験講習だ。 昔々に近所で畑を借りて野菜を
自己流で作ったことがあるが、今回の講習はプロの農家がプロの使う種や道具を使って体験をさせてくれたので全てが珍しく、
感心することばかりだった。 そして講習、雑談を通して日本の農業の実態を垣間見ることが出来た気がする。
来年も是非共参加したいのだが、千葉市の予算が付かなくて約8年続いたこの農業体験事業も今年で終了となってしまう。
最後の1年でも参加できたことはラッキーと言わざるを得ないが、来年も同様の農業体験を探して参加してみたい。
それに参加した人々は皆さん60歳以上、いや殆ど70歳以上と見たが皆さん元気、そして自発的で協調性も素晴らしかった。
巷では「会社で役職の高かった人は口ばかりで自分が動かない」とよく言われるが少なくともこの様な講習会に参加する人々の
中にはそんな人は一人も居なかった。 皆さん優しくて一緒に作業をしていても楽しかった。 年の功と言われればそうかも知れ
ない。
さて、今日は残りの里芋、大根、そして人参を全て収穫して一部を千葉市の仲介で養護施設に寄付し、残りを皆で分けるのだ。
それに先週に炒った落花生を持ち帰り、最後に講師たちが手配した農産物や肉、海産物を使って会費500円でバーベキュー
参加のお楽しみもある。
8時00分に自宅を出発、8時40分に現地に到着。 御成街道経由で所要時間は丁度40分でした。
下表:品種ごとの植え付け、収穫タイミング
◇◇作物の成長具合◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
写真(1)の里芋は2週間前と同様に全ての茎と葉が枯れてしまっている。 講師に聞くと里芋の収穫はこの位の時期が良いとのことでした。
確かに里芋は秋から年末に多く使われることからも納得できる回答だ。
写真(2)の大根は少しだけ葉が黄ばんで来た。 でも地上に出た部分は少し緑色に変色して来て「青首大根」らしくなって来た。
写真(3)画面の白っぽい部分はゴミでは無くて霜だ。 薄い氷の様な感じで朝一番は畑の土が全体的に白く見えた。大根と人参は今日
収穫するので影響は少ないだろう。
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写真(4)はやはり成長が良くない人参です。 数回
霜に会うと茎が痩せてしまって手で抜くのが難しくなるそうだ。
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◇◇本日の作業◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(5) 今日は最終日。 担当の講師、富田町都市農業交流センターのセンター長、そして千葉市の担当職員からの挨拶と来年以降はこの農業体験講習会
(正式事業名:高齢者いきいき健康園芸事業)に関する説明がありました。 名前は気に入らないが本当に楽しかったこの講習会が継続できないのは
本当に残念でがっかりします。 主な理由は千葉市の財政危機対策としての経費削減の一環とのことなので文句も付けられないです。
(現、熊谷市長は若年ながら頑張っていますが、ここまで千葉市の財政を破壊した歴代の千葉市長と市議会には言いたいことが沢山あります。・・忍)
(6) 今日の作業割り当てです。 私の所属する第一班は里芋の収穫です。 でもこの日記を書く為に全部の作業に首を出そうかと思います。
・・・これで最後かと思うと寂しいですね。 日記のネタも無くなるし・・・しかし、この一連の農業体験記録は将来の役に立ちそうです。
(7) 前日の雨が幸いして土が軟らかくなり、マルチ(ビニールシート)の撤去作業も簡単に終わりました。 左右前後の4人一組のチームワークが功を奏して
総延長300m以上のシート撤去も短時間で終わりました。
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(8) 里芋の根はそれ程深くまで伸びていません。 枯れた茎から少し離れたところにスコップを垂直に差し込み、“グイッ”と掘り起こすと親芋とその周りに
付いた里芋が土ごと”ごろん”と飛び出します。
(9)慣れた人はスコップでは無く、クワで掘り起こします。 私もクワを使ってみましたが刃先を真直ぐ土に当てるのが難しいのと、周りに人がいて危険なので
すぐにスコップ作業に戻りました。 手作業では総延長300m分を掘り起こすなんて気が遠くなりそうです。
(10)里芋の付いた親芋は湿った土がしっかり付いていて量が多いと土落しだけでも疲労困憊します。 その後で里芋を親芋からちぎり取ります。
収穫も本当に手が掛かるんですね。 農業を本職にしても相当の機械化をしなければ生活できる収入確保なんて、とても無理だと思いました。
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(11) ようやく援軍が来ました。 タイヤの後ろにある大きな鉄のクワで土ごと芋を掘り起こし、後ろの棒が並んだ籠状のコンベアに送り込んで土を
ふるい落とす構造です。
(12) こんな感じでパワフルに畝の土を掘って行きます。 凄い!拍手したくなるね。
(13) 後部からは土がふるい落とされた里芋がどんどん出てきて、畝の上にポトポトと落ちて行きます。 この後に手で里芋をもぎ取る作業が待って
います。
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(14) これが、里芋を取り去った親芋です。 食べられるそうですが美味しくないので市場には廻りません。 今回も廃棄処分にされてしまいます。
これを洗って水盤に入れておくと綺麗な新芽が元気良く出て来るので我が家では玄関に飾っています。
(15) この穴は何でしょうか? 人を寝せれば2,3人は入りそうですが、実は来年に向けて先程収穫した里芋の一部をここに貯蔵しておくのです。
(16) 親芋に小芋が付いたままの状態で穴の中に並べて行きます。 地表から少し高くなった時点で芋の上に脱穀した米の藁を屋根の様に被せて
そのまた上にこんもりと土を被せて終了です。 藁は上下をきちん揃えれば、雨が内部に浸み込まないのだそうです。 蓑傘と同じ理屈です。
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(15) (16)
(17) さて、次は大根の収穫です。 大根は畝を盛ってあるので土が固くならず抜くのは本当に簡単です。 片手でスッポリと抜けます。
あんなに太い大根なのに抜くと小さくて細いヒゲの様な根っ子が少し付いているだけです。 あんなに水分があるのに何やら不思議です。
(18) 記念に大根を抜いた跡の穴を写真に撮っておきました。 殆どヒゲの様な根も残っていません。 改めて不思議だと思ってしまいます。
(19) さて、次は人参の収穫です。 先に書いた様に手で葉の部分を掴んで抜こうとすると、”バキッ”と茎が千切れてしまいます。 2週間前はそれでも
大丈夫でしたが霜に数回会うだけで、根を保護する為に地上部分を痩せさせてしまうんですね。 自然の中に生きてきた野菜の知恵?でしょうか。
そんな訳で、先程の里芋同様に機械のお世話になって収穫作業を行ないます。 小型トラクターと後ろの掘り掘りアダプターは全く同じものです。
但し、人参は根が下に伸びているので写真の様に人参の長さ程度に深くクワを潜り込ませて、厚い皮を剥ぐように掘り進んで行きます。
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(20) 里芋と同様にトラクターの後ろから土が除かれた人参がポロポロと畝の上に落ちて行きます。 今回の人参は明らかに失敗だそうです。
理由は種の蒔き時に雨が少なかったので時期を後ろにずらしたこと、その為にかなり芽が出なかったので更に2回目の種を蒔いたので
肥料が不足したり、更に種蒔きタイミングが遅れてしまったこと等々、理由は沢山あるそうです。 工業製品の様に形の揃った野菜を
作らなければ農家は収入を失ってしまうなんて・・疑問を感じてしまいます。 事実、今回の人参は形が小さいでしたがサラダや茹でて
食べましたが凄く美味しかったです。 充分、商品価値があると思います。 逆に全てが同じ大きさの野菜を見ると普通の育て方では
無いのかと疑問に感じてしまいます。
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女性達が集まって収穫物を参加者に配分しています。 大根を大小サイズで5本位、里芋3株位、人参は沢山あって数え切れません。
これだけあると壮観ですね。
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このひと山が一人分の分け前。 我が家は二人分のお持ち帰りなので車のトランクにやっとの思いで押し込んだ程です。 家に帰ったら
近所におすそ分けしなければ食べ切れません。
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(23) さて、これからお別れの挨拶です。 富田町管理運営組合長からご挨拶。 私も他の参加者達も残念で仕方がありません。
来年も続けたいのは皆同じ気持ちなのです。
(24) さて、横の芝生の上で大バーベキュー大会が始まりました。 沢山の肉、ソーセージ、干物、焼きそば、そして野菜、飲み物が用意されて
います。 我々が普段行なっているバーベキューと比べると、そのバリエーションの広さに驚かされます。 要は焼き物であれば何でも良い様
です。
(25) 都市農業交流センター所長の声がけでノンアルコールビールで乾杯。
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(26) 泥の付いたままの長ねぎを焼きます。 意外とこれが美味しかったです。 中の芯の部分はとろとろに柔らかく甘みもあってビックリしました。
(27)ソーセージと肉は食べきれない程の量がありました。 奥にあるうるめ鰯は講師の親戚の加工業者から調達したものですが、これが旨かった。
(28) 女性達に人気の甘酒もふるまわれました。 甘みが押さえてあって麹の味も抜群でした。
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(29) 帰宅はいつもより大幅に遅くなって午後2時頃にお腹一杯で到着。 お土産のピーナッツは一人一袋。
お店で買うものと比べると粒が小さく、色も黒っぽいですが、やはり自分達で楽しく作っただけあってとても美味しく戴きました。
味が濃くて風味も強い感じがしました。
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★★★★ これで楽しかった農業体験が終わってしまいました ★★★★
この体験を通じて、「沢山の人間の食を満たす」ということは本当に大変であると実感しました。 勿論、農業に従事する人々の労力も
大変だと思いますが、それを我々が購入できる価格で供給し続けることの大変さ、そして作物が育ち続ける地球の天候も含めて「食は
偶然の連鎖」の上に成り立っているのではないかと思ってしまう程です。
我々の日常生活の中ではスーパーに行くと野菜が溢れ、品質と価格の高低を基準にして購入します。 そして規格外の野菜は大量に
廃棄されてしまいます。 本当にもったいないことですね。 農業のホンの入口しか体験できませんでしたが実感として感じてしまいます。
日本の野菜は行政の指導の下に農薬の規制がとても厳しいです。 TPPで野菜の関税が撤廃されたとしても我々消費者が日本の
農業製品の品質と安全性を正しく認識している限りは恐れることはありません。 但し、仕入れ材料のローコスト化が重要課題である
外食産業については不安が残りますけどね・・・・。
最後に参加者の方々ですが、やはりこの歳で元気に活動したいと思いそして行動する人は思考も行動も軽快です。 そして年齢なりの
無欲さに裏打ちされた優しさがあります。 自分も先輩達を見習わなければ・・・と強く刺激された今回の農業体験でした。
以上