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我が愛車の2000年型BMW E46にはステップトロニックと呼ばれるシーケンシャルシフト機能が付いており、マニュアルトランスミッション

の様に1速から5速までの好きなギアを手動で順次切り替えて選択することが出来る。 然しながらシフターの方向設定が悪く、シフト

ノブを前にチョンと押すとシフトアップ、手前に引くとシフトダウンする仕組みになっている。

これって、感覚的には逆なのです。 例えばマニュアルトランスミッションで、ローからセカンドに加速の場合はシフトノブを手前に引くし、サード

ギアで思い切り加速してからトップギアにシフトアップする際もシフトノブを手前に引く事で体が慣れている。 セカンドギアからサードギアに

シフトアップの際はシフトノブを前に移動するが、この際は“H”型シフトパターンの横軸を同時に移動する動作が含まれるので、感覚的には

単純に前に押すことにはならない。

そんな訳で、このおまけの機能は感覚的に受け入れることが出来ないし、間違って反対方向にシフトミスをすると いきなり強烈なエンジン

ブレーキがかかったりで危険極まりないので、この15年間、殆ど使ったことがなかった。

最近、信号停止中に軽く追突されて愛車をディーラーに修理に出したところ、代車として走行距離が5000kmに満たない BMW 116i

を貸してくれた。 この116iのステップトロニックが使いやすいの何のって、気が付いたら我が2000年型 E46とは逆のシフト方向;即ち

手前にチョンと引くとシフトアップするのだ。 気に入りました。 我が愛車も同じ様に改造してみよう。

 

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(01)  ステップトロニックはオートマチック・トランスミッションの「ドライブレンジ」からシフトノブを左に倒すと「スポーツモード」に入り、更にシフトノブ

を写真(1)の様に前後させてシーケンシャルシフトを実現します。 このパターンは改造前のものです。 改造方法は簡単です。

シーケンシャルシフトはメカで直接トランスミッションを切り替えるのではなくて、スイッチを使って電子的に切り替えるので、この配線を

逆になる様に差し替えるだけで良いのです。

 

(02)  前述のステプトロニック切り替えスイッチにアクセスする為に、シフトノブに付いているカバー類を順次外して行きます。 ここでは可能な

限り詳細に手順を紹介したいと思います。

 

(03)  まず、シフトノブのブーツカバーを引っ張って外します。 まだ、スイッチ類は見えません。

 

  

(01)                                                 (02)                                                    (03)

 

 

(04)  ブーツカバーを固定しているプレートも同様に引っ張って剥がします。 一緒に付いているのはナビのリモコンで、今回の改造には関係

がありません。

 

(05)プレートの裏側にもコネクターが付いていますが、これらは表示ランプ用で目的のスイッチ用コネクタはありません。

 

(06)更にスクリュー2本で固定されている化粧パネルを外します。

 

  

(04)                                           (05)                                                    (06)

 

 

(07) 化粧パネルに接続されているコネクター全てを外しますが目当てのコネクターがありません。 シフトノブを前後させてシーケンシャル

シフトのスイッチの位置を音で調べ、そこから出ている配線を追ってコネクターの位置を探します。 コネクターのピン数は4個で

ハウジングの色は赤の筈です。

 

(08) ありました! シフトメカ保護用のハウジングの下に赤いコネクターが隠れていました。

    製作時期によってはこのコネクターが、上記(3)のステップで発見できる位置にあるそうです。 その場合はステップ(4)からステップ(7)

無視して下さい

 

(09) シフトメカ保護用ハウジングのツメを起こしてハウジングを外して作業スペースを確保してからコネクターを抜きます。 私の場合はそれでも

狭くてコネクターを外すのに苦労しました。

 

  

(07)                                                (08)                                                    (09)

 

 

(10)コネクタに接続されている4本のワイヤの内側2(青/黄 と青/白の)を入れ替えます。 

 

(11) コネクターはBMW特注のAMP製ですが、ピンは通常のAMP製品と同じです。 保護カバーを起こしてからピンの抜け防止ツメを押し

ながらワイヤを引っ張ると簡単に抜けます。

 

(12) 改造作業はこれで終了です。 あとは今までの逆の手順でカバー類を元に戻します。

 

  

(10)                                               (11)                                                    (12)

 

 

(13) 作業完了です。 改造自体は2本のワイヤの入れ替えだけなので非常にシンプルですが、その為にシフトノブ周辺のカバーを外したり

小さなコネクターの脱着を行ないますので、ある程度の経験が必要です。 この記事は私自身のメモですので改造は自己責任で

行って下さい。

 

(14) コネクター類が正しく挿入されたことを確認後、エンジンを始動させてステップトロニックが正常にシフトダウン/アップすることを確認します。

    シフトレバーを前後させながら右下の小窓にギアの段数(M1M5)が正しく表示されることが確認出来れば作業終了です。

 

 

(13)                                              (14)                

 

 

やはり改造後はステップトロニックの使い方が自分の感覚に合っていてシフトアップ/ダウンが楽しくなりました。       

特に高速道路で車線変更の際の加速や、カーブの手前でエンジンブレーキをかける時にアクセルコントロールによる 

キックダウンではなくて、マニュアルシフト車で4thから3rdにシフトダウンするが如く自然な感じでシフトレバーを     

前に倒してシフトダウンが出来る様になったことは大きな収獲でした。  トルクは細いが6気筒エンジンでは高速型の

M52エンジンを搭載した320iでは うまく使えば排気量がアップした様な加速を見せてくれる様になりました。       

E46後期型以降は全てこの手前/シフトアップ方式に改善されたそうです。  当然の措置と思います。