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半月ほど前から運転席のウィンドウガラスを動かすと、時々「ギュルッ」とか「ガリッ」と異音が発生する様になった。 

とうとう定番のウィンドウレギュレーターの故障が発生した様だ。 以前にリアの左右のレギュレータが壊れたがフロント

は初めて。 傾向的には開閉が少ない窓ガラスと窓枠の間で癒着が発生し易く、長期間開閉しない窓ガラスを動かすと

ガラスを動かすワイヤの固定樹脂に異常な張力がかかって破断するトラブルが多いそうだ。 今回は開閉頻度がより高い

運転席側の窓なので単純に樹脂の疲労破断なのかも知れない。 

フロントドアのスライドレールが2本ある為か否かは不明だが、私の場合はウィンドウガラスが今迄と変わらずに上下に

スライドしてくれたのはラッキーだった。 

しかし完全に動かなくなっては困るので今のうちにウィンドウレギュレーター・アッセンブリーを交換することにして、早速

いつものネットショップでBMW社外の対策部品をポチりました。

 

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(1) 使用するツールはT20,T30トルクスドライバーやラチェットレンチ、プラス・マイナスドライバー、内装はがし程度で

特別なものはありません。  部材は交換用のウィンドレギュレーター、ガムテープ、タイラップがあれば充分です。

 

(2) ウィンドウレギュレータの交換方法は、ドア内張を固定する隠しネジの位置さえ分かれば難しいものではありません。 

BMW E46ではフロントよりもリアウィンドウ・レギュレーターの方が先に壊れる傾向があるそうですが、もしリア側の

交換経験があればフロントの交換作業は更に容易に出来ます。 隠しスクリューの位置と本数は以下の通りです。

@   内装モールの裏に2本。 ドアを開けるレバー近くのT20 は他と比べて長いものを使用しています。

A   ドアのアームレスト固定用の2

B   ドアミラースイッチの裏側に1

 

(3) ドアのアームレスト固定スクリューは、こんなメクラ蓋の中に潜んでいます。

 

  

(1)                                                       (2)                                                       (3)

 

 

 

(4) ドアミラースイッチはアームレストの穴に押し込んであるだけなので、マイナスドライバー等でこじり上げながら外します。

 

(5) のスイッチを引っ張り出すと奥にT20のトルクスが見えます。

 

(6) もう少し拡大します。 これを外します。 取り付けの際はネジとドライバー間をビニールテープで巻くと作業が楽です。

 

  

            (4)                                                    (5)                                                       (6)

 

 

 

(7) T20スクリュー5本が外れたら、内装剥がしで全体を少しずつ浮かしながら内張パネルを外します。

 

(8) 内張パネルのクリップが全部外れても安心してはいけません。 内張パネルを持ったまま、ドア本体と接続されて

いる電気配線のコネクタやドアオープナーのワイヤーカップリングを外す必要があります。 赤い丸で囲まれているのが

先程説明したT20トルクスの位置です。

 

(9) 更に防水シートとドア鉄板を接着しているプチルゴムをナイフで丁寧にカットして行きます。 防水シートは無理矢理

引っ張ると簡単に裂けてしまうので要注意です。 プチルゴムの粘度が保たれているのであれば、組み立て時に指で

圧力をかければ再度接着します。 プチルゴムがパサパサであれば、ホームセンターで購入して追加接着して下さい。

 

  

            (7)                                                    (8)                                                       (9)

 

 

 

(10)    左側のスライドレールに駆動用モーターがT30トルクス3本で固定されています。 でも一寸待った。 先に

写真11で示されているスライドレールのキャリア部とガラスを固定する8mmボルト/ナット抜かなければなりません。

その為にモーターを動かして固定ネジと作業用ホールの位置を合わせる必要があります。 固定ネジの数はスライド

レールが左右2本あるので、同様に2本です。

 

(11)    赤くマークされた8mmスクリューヘッド、キャリア部、ガラス、ナットの順で固定されています。 ネジが外れてドア内部

に落ちても大丈夫。 手を突っ込んで拾うことが出来ます。

 

(12)    上記作業終了後に、モーターを外します。 スライドレールを固定するナットは左右で合計4個ありますが、外す前に

位置をマークしておきましょう。 きっと後で役に立つ筈です。 右上の固定ナットはSRSエアバッグを外さなければ外れ

ません。 私は、エアバック固定用スクリューを外してから仮留めし、起爆用の配線コネクタは外しませんでした。

 

  

           (10)                                                   (11)                                                      (12)

 

 

 

(13)    内部配線用のホルダからコネクタが外れたままにしない様に充分注意して下さい。

 

(14)    エアバックはこの様に仮留めしました。 配線は外しません。

 

(15)    スライドレール固定用ナット4個を外したら左右のスライドレールを繋ぐワイヤーハウジングとドアパネルを固定

するクリップ(写真16の赤丸下)とタイラップ(写真16の赤丸上)を外した後、写真15の様に取り出します。

 

  

           (13)                                                   (14)                                                      (15)

          

 

 

(16)    外したフロント右側のウィンドウレギュレーターアッセンブリーです。 (Parts No. 51337020660T)

   赤丸内の固定用クリップは付属していません。

 

(17)    スライドレールから窓ガラスを固定するキャリアを取り出して比較してみます。 

やはり右側のキャリアのワイヤーコマを固定する樹脂製のハウジングの片側が欠けています。 

これではコマがキャリアに引っかからないので、窓ガラスが上に移動できなくなります。 私の場合は、

割れていない方のスライドレールが頑張ってくれて、アンバランスな力が加わりますが何とかガラスが

上下出来た様です。 先に述べた異音はそんな状態で発生したと思われます。

 

(18)    右側キャリア部を更に拡大してみます。 やはり、コマ押さえの片方の樹脂が破損して紛失しています。

これはBMWの持病とも言われる傾向故障ですね。 純正品も社外品も樹脂を使っていますが、社外品は

「対策品」であると説明しています。 欠けた方向から考えると、これはウィンドウガラスを上げる側です。 

 

  

           (16)                                                   (17)                                                      (18)

      

 

 

(19)    さて、新品のスライドレールを組み込みますが、左右のスライドレールの固定ナットは軽く締める程度にして、ガラス

を上下させて見ます。 これで、最適な位置にレールが移動してくれる筈です。 その後にしっかりと締め付けて

下さい。 更に写真16のクリップとタイラップを忘れずに取り付けて下さい。

写真の通り内張りにはクリップが沢山付いています。 配線のコネクタやドアオープナーのワイヤーカップリングを

接続後にドア鉄部の穴にクリップの先を合わせてから全体を手で叩き込んで下さい。

 

(20)    こちら側のクリップも同様に位置を合わせた後に叩き込んで下さい。 その後取り外した逆の作業を行なって

T20トルクス 5本を締め付けて作業終了です。

 

 

           (19)                                                   (20)

       

 

以上