今回の作業の目的はシリンダーヘッドからのオイル漏れを調査することすが、ついでに9万キロ近く交換していないスパークプラグを交換して少しでもパワーアップが出来ればとの期待で急遽実施することにしました。 新しいプラグはNGK BKR6EIX-11P イリジウム Stock#2574でアフターマーケット パーツとしては評判の高いプラグです。  

最近の作業は不良箇所の点検や修理が多いので、プラグ交換は久し振りに効果が期待出来そうな作業です 結果が楽しみです。

 

 

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【使った工具類】

 

プラグ交換は多くの工具を必要としません。 主に使った工具と消耗品は下記の通りです。

(1) プラグ NGK BKR6EIX-11P イリジウム Stock#2574

(2) 3/8DR16mm ディープソケットレンチ、16mmプラグ用ソケットレンチ、150mmエクステンション

(3) 1/4DR M6(10mm)ソケットレンチ、10mm T型ロングレンチ

(4) 3/8DRスピナーハンドルと延長用鉄パイプ、トルクレンチ

(5) マイナスドライバー、ハンドライト

(6) トレイ、ウエス、マーキング用ガムテープと油性ペン。

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今回は一番奥のスクリューやスパークプラグを外すので、運転席側のエンジン化粧カバーとエアコンフィルターのハウジングを外します。

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フィルターを外すと4本のT30トルクスが現われますので、これらを外します。

M52TU20型エンジンを搭載したこのモデルでは、これらの4本のトルクスは裏側に抜け防止ワッシャーが付いていませんので、落下に注意する必要があります。

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化粧カバーを固定しているのは、メクラ蓋の下にあるM6(10mm)のナット2個だけです。

オイルキャップを一度外してからカバーを外します。

(インテーク側化粧カバーを固定しているのはM6(10mm)のボルト2本です)

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化粧カバーを外すとイグニッションコイルが現われます。 同じ位置に戻したいので番号を書いたガムテープをそれぞれに貼り付けておきます。 

M52およびM54初期型エンジンのイグニッションコイルは10mmのボルト2本で固定されているので合計12本のボルトを外す必要があります。 そんな時に何十年前に購入したT型ハンドルの10mmレンチは廻し易くてとても便利でした。  黄色の丸部分はアース線と共締めです。

そうそう、固定ボルトを外す前にイグニッションコイルのコネクターを抜いておいた方が作業は楽に進むと思います。 後でも問題なく抜けますけど。 

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10mm固定スクリュー2本を外すと簡単にイグニッションコイルが抜けて来ました。 スパークプラグの頭部分とコイル側のホルダーがカチッと嵌められていて抜けにくいと思いましたが、どうやらそうではなく上からしっかりと押し付けて接触させている感じです。 6本共に同じでした。

イグニッションコイルを外すと、何とプラグホールの下側にオイルがうっすらと溜まっています・・・・いやな予感がして来ました。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー1のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが溜まっています。

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みています。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー2のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが溜まっています。

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みています。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー3のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが溜まっています。

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みています。。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー4のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが溜まっています。

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みています。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー5のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが溜まっています。

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みています。

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【プラグホールの確認】

 

シリンダー6のプラグホール。

プラグホールの中にはオイルは溜まっていません。 

然しながら、写真の通りプラグホールの下側にオイルが沢山溜まっています。これはひどい!

金属板の下側と手前の樹脂製の黒い壁にもオイルが滲みていて、何度ふき取っても再度溜まって来ます。 あたかも6番シリンダーの位置が一番低くて、上から流れ込んで来ている様です。

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【オイル漏れが発生している場所の調査】

 

殆ど全てのプラグホールの下側にオイル漏れが発生しているのを見てガックリしました。

特にCylinder 6がひどくなっていたのは何故でしょうか?

シリンダヘッドカバーは樹脂製で、プラグホールを含む中央部は写真の赤線の土手状の膨らみを底辺として凹んでいて溜まったオイルが流れ出ることは無い様に見えます。 心配だったプラグホール内へのオイル漏れは無いし、ヘッドカバーとヘッド間のシールからのオイル漏れの形跡がないので、写真で確認したオイル漏れが発生している場所は凹みの中にある赤丸で囲んだ4箇所のスクリュー付近の可能性が高いと推測できます。

今回は、時間の余裕がないので、取敢えずオイルを拭き取って様子を見ることにします。

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【プラグを抜いてみます】

 

プラグホールは結構深いので、3/8DR 全長150mm(有効長140mm)の長いエクステンションと、ゴムとマグネットでプラグを挟んでくれる16mmプラグ用ロングソケットが必要です。

私の場合は、これを3/8DRスピナーハンドルと延長用鉄パイプを使って緩めました。

右のマジックインクは長さの比較用に置きましたが、本来は外したプラグとイグニッションコイルに番号を書き込む為に用意しました。

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【プラグの焼け状態の確認】

 

プラグの確認は1月末の車検点検の際にBMW Dラーで行っている筈ですが、改めて自分の目で確認してみます。 印象的には17年間も使ったとは思えない程綺麗でした。 

プラグスクリュー全体的にオイルがうっすらと付着している感じですが、それともスレッドコンパウンドなのでしょうか?  BMW整備ではスレッドコンパウンドは使わないと聞いています。

一寸、不安な感じですがBMW Dラーからは何のコメントも無かったので問題は無いと思います。

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【プラグの焼け状態の確認】

 

6本共に写真と同じ様な感じで中心電極およびセラミック部分の焼け具合は良好だし、接地側電極の角部分もしっかりと残っています。

以前のプラグではあり得ない程良好で、メーカー指定で10万キロまで無交換とされているのもうなずけます。 プラグの型番はBKR6 EQUIP Stock#2749 となっています。

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【プラグホール内のオイル滲み確認】

 

プラグのネジ部分に少量のオイルが付着していますが、無視しても良いレベルの量と思います。

ホール内の汚れは殆どありませんでした。 と言うことは・・車検点検の際にプラグ状態確認を行っているので、その際にクリーニングしてくれたのかも知れません。 

もし、ここにオイル滲みがある場合は、プラグホール部分のガスケットが劣化していると思います。

少し時期をずらして再度点検しようと思います。

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【スパークプラグ交換】

 

新しいプラグは評判の高いNGK BKR6EIX-11P 。 ネットのユーザーレポートによると画期的に性能がアップして・・・との投稿も少なからず見受けられます。

本当にそんなに素晴らしいプラグなのでしょうか? 私の感覚で云うと、「交換前は相当ヒドイ状態」である以外に、そんなことはあり得ないと思っています。 さて私の場合はどうなのでしょうか?

プラグ名の下の2574Stock No.と呼ばれ、プラグ電極キャップが外れないタイプらしいです。 

とにかく私の場合はこの番号のものを使用します。

16mm レンチ ネジ穴径14mm  締め付けトルク(NGK推奨) 25-30Nm

実際の締め付けは BMW指定の25Nmで行いました。

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記念のために6本揃って写真をパチリ。

あと10万キロ後にはどの位老けて見えるのでしょうか?

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【プラグの取り付け】

 

イグニッションコイルを外した際に感じたのですが、プラグの頭とコイル側電極ソケットが嵌め込み方式では無くて圧接方式と思われ、何の抵抗も無くイグニッションコイルが抜けてしまいました。 プラグ6本共に同じでした。 確かにプラグ交換なんて ン十年ぶりなので私の知識が古いと罵倒されそうですがこの様な方式は初めてです。 まあ、直前にDラー整備があった筈なのでこれで良いのでしょう。

そこで、机上で確認! 写真の様にプラグの頭がプラグキャップにカチッと嵌まらず、押し込んでもゴムの反力で飛び出して来ます。 いろいろと弄くり回してカチンと嵌る感触を探したのですが見付からずに諦めました。 まあ、イグニッションコイルごとM6ボルト二本で固定しているからこれで良いのでしょう。

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【プラグの取り付け】

 

私に場合、プラグ取付けの際はプラグ用ソケットレンチはプラグがホールにねじ込まれたのを確認できたら、すぐに抜いて通常の16mmディープソケットに交換してしまいました。

何故ならばプラグ用ソケットを使うとプラグとの接着が強くて、締め込みが終わって抜く際にエクステンションとの繋ぎ目が先に外れてしまってプラグソケットが中に残ってしまったからです。

これは、私のツール固有の問題と思いますので、あくまでオマケ情報です。

16mm レンチ ネジ径14mm  NGK指定締め付けトルク:25-30Nm

実際の締め付けトルクは BMW指定の25Nmとしました。

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これもオマケ情報ですが、プラグ締め付け中に、黄色丸で囲まれた部分に何やらゴム製の四角い板を発見しました。 何処から外れたかと思ったら・・・・・。

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ここでした。 エンジンの化粧カバーの4箇所に防振ゴム?が取り付けられています。

多分、ゴムが変形したのか固くなったのか分りませんが取り外す際に、外れてしまったと思います。

今後、意識してカバーを外さなければ。

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【プラグの締め付け】

 

先にも記載しましたが締め付けトルクはBMW指定の25Nmとしました。

もし、トルクレンチを使わない場合は、NGKのウェブサイトに締め付け方が記載されています。

この場合のプラグのネジ径は14mmで参照して下さい。

 

URL

http://www.ngk-sparkplugs.jp/products/sparkplugs/basic/04_01.html

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【イグニッションコイルの取り付け】

 

方法は沢山のウェブサイトで紹介されていますので、特にコメントはありません。

イグニションコイルをM6(10mm)ボルト2本で締め付け、ロック金具を引っ張り上げてからコネクターを押し込み、ロック金具をしっかりと押し込む。 これだけです。

 

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シリンダー1と6のイグニッションコイルはアース線が共締めされますので注意して下さい。

この写真は特に意味はありませんが、中央左側にエアコン用チューブと低圧側のエアコンガス注入口が見えます。 こんな寄り道ばかりしているので、作業には結構時間がかかってしまいます。

 

 

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これで作業完了! いつもの様に眺めながら、作業のおさらいをします。

ネジの締め忘れ、パーツの交換忘れ、ウエスや工具が残っていないか? オイル漏れが無いか 等々思いを巡らせながらしばし、車と一緒に佇みます。

本当は、ヘッドカバーからのオイル漏れ箇所をもっと追求したかったのですが、今日は時間がないので後日に再挑戦することにしました。

 

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今日の作業はオークションで入手したBMW正規ディーラメカニック用のつなぎ服を着用して行いました。 見た目は地味ですが、今迄使っていたタイヤメーカーのつなぎ服と違って、縫製やポケットの位置や構造、ファスナーの作り込み等々、やはり仕事着として長時間の着用に不都合が発生しない様な工夫がされていると感心しました。  ちなみに、日本製です。

気分と格好だけはプロのつもりでしたが、メカニックとしての経験と技量は遠く及びません。

 

 

 

 

 

作業日   201727

走行距離: 89,561km

 

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●プラグを交換して感じたことは;

(1) アイドリングから高回転の全域でエンジン音と振動が低下したことです。 元々エンジンからの遮音性能が良いので飛躍的に静かになったとは

思いませんが、窓を閉めたときの感触としては高級車の様です。 その分、ファンクラッチからの異音が余計に聞こえてしまいます。

(2) トルク性能が改善された感じがします。 プラシーボ効果をかなり意識しながら感触を楽しみましたが、トルクが太くなったのは間違いない様です。

 

●オイル漏れについては、今回の確認範囲ではシリンダヘッドカバーの真中の列の固定ナット4本に付いているゴム製グロメットから漏れていることは

間違いない様です。 そうなると意外と簡単に修理が終わる可能性があります。 但し、車検点検でクリーニングされている場合は正しい判断が

出来ないので、もう少し様子を見ることにします。

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