GPSにも2019年問題があったのだ。  

あまり知られていませんが 201946日を以ってGPS機器内蔵カレンダーの日付が1999年に戻ってしまう問題があったのです。

通常の使い方ではこの現象は発覚しないとは思いますが、私の場合は何故か46日ではなくて8月に入ってサイクリングのGPSログをGoogleマップに展開する為の編集していたところ、いつも抽出しているサイクリングデータが正しく表示されなくなったことで発覚しました。

そこで、更にGPSログを調べたところ、Garmin GPS本体の日付が本来は201983日である筈が19991218日に戻っており、通常の設定機能では正しい日付が入力できない状況であることが分かりました。 但し時刻は正しい様です。

間違った日付で出力されたGPSログ(GPX File)はパソコンのテキストエディターを使って正しい日付に置換すれば修正は可能ですが毎回対応できることではありません。

 

そこでGarminのサポート情報を調べたところ、『本製品において、201946⽇のGPSロールオーバー後に⽇付/時刻が不正確になる問題が⾒つかりました。ただし⽇付/時刻に依存しない全ての機能は引き続き問題なく作動します。デバイスの経過年数のため、この問題は修正されません。位置、速度、ナビゲーション、その他の⽇付/時刻に依存しない全ての機能は引き続き問題なく作動します』と書かれておりました。 

普通はこの記事を見て怒り心頭になるところですが、今回は少々冷静になっていろいろと試したところ、 Garmin Map Sourceでは最新のサポートを提供していないので解決策は見つかりませんでした。

また、Garmin Expressでは私の機種は古すぎて門前払い。 仕方がないので、最後の願いをこめてGarmin Base Campをインストールしたところ、サブメニューの更新機能で見事に修正ソフトがダウンロードできてこの問題が解決しました。 以下はその顛末を時系列でメモしたものです。

 

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私のGPS2008年に購入した Garmin eTrex Legend Hcx

大分古くなってしまいサポートも停止されている機種ですが、私は今でも主力のGPS機として使っています。 その理由は;

 

(1) 故障しない。

電池ホルダと基板間の接触不良がありましたが、マウント関係の樹脂破損や電池カバー固定ネジの磨耗、そしてケース外周のゴムカバー劣化以外、全く壊れてくれないので現在も主力で使用しています。

 

(2) Way Pointの設定が簡単。

クリックスティックを長押しするだけのワンアクションで設定可能。

 

(3)電源は単三2本で何処でも購入可能。 電池切れの心配がない。

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GPSの測位と表示時刻は複数のGPS衛星から発信された非常に正確な時刻情報を使って計算されるので、基本的には調整機能はありません。 従って、GPS機器の問題で左記の様に日時情報が異常な値になっても手動で修正が出来ません。

今回は時刻は正確でしたが、GPS週数ロールオーバー(WNRO)問題の影響をモロに受けて年月日の値が全くおかしくなっています。

その理由は下記(4)(5)の説明やGarminのサイトを参照して下さい。

簡単に言うと以前の2000年問題と同様の設計ミスと考えられます。

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左図はGPS機器から出力されるトラックログの内容です。

サンプリング周期は設定により異なりますが、計測する地点ごとに緯度・経度・高度・日付・時刻等の情報がテキストの形で内部メモリーに蓄積されます。 私のGarminの場合は1秒から30秒程度のインターバルでこれらの情報がログされます。

このフォーマットはメモリー使用効率から考えると無駄が多い様ですが、人間の感覚的には非常に分かり易く、かつPC等の編集ソフトを使えば簡単に修正/書き換えが可能です。

 

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GPS週数ロールオーバー(WNRO)について

 

GPSシステムは、世界中で正確かつ信頼性の⾼い測位情報と時間情報を提供できることで世界的に知られています。 GPS衛星は、ナノ秒単位の精度で正確な⽇時をユーザーに送信します。 もっとも、1980年にGPSシステムが最初に時刻を記録し始めたときには、⽇付と時刻が最⼤1024週間、つまり約19.7年までしかカウントできないカウンターで表されていました。 1024週間経過すると、このカウンタはゼロに「ロールオーバー」して、GPS時間が再びカウントを開始されました。

この最初のロールオーバーは19998⽉に周期を迎え、2回⽬のロールオーバーは⽇本時間201947⽇午前859分に周期を迎えます

 

 

左記:Garmin Japan のサポートページから引用

 

https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=zWQY6Z2kFiAuY9kDnDBgZ6

 

 

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⾃分のデバイスは影響を受けますか?

 

⻑年にわたり、Garminはこのイベントを予想して準備してきました。 Garminは現在および従来のデバイスを徹底的にテストして、GPS週数ロールオーバーの影響を受けるかどうか確認しています。 弊社のテストでは、Garmin GPSデバイスの⼤部分は問題なくWNROに対応できることがわかっていますが⼀部機種ではソフトウェアの更新が必要です。

但し、⽇本時間201946⽇午前859分のタイミングで悪影響が発⽣されるものではございません。再起動のタイミングや無起動状態から内蔵バッテリーが消費される10⽇前後まで猶予がございます。その間までにソフトウェアの更新をご実施ください。

 

 

左記:Garmin Japan のサポートページから引用

 

https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=zWQY6Z2kFiAuY9kDnDBgZ6

 

サポートが有効の機種はこちらから対応ソフトをダウンロード可能です。

 

https://www.garmin.co.jp/download/

 

 

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上記説明の通り、殆どのGPS機器ではこの問題の対応が済んでいますが、私の古い機種ではGarmin社に送付して有償サポートを受けるか、諦めて新機種を購入するしか手が無い様に書かれています。

しかしながら今回は自分でエラー&トライで探すうちに運良くGarmin Base Campで対応ソフトウェアを使って問題が解決出来ました。

方法は至って簡単。 GPS機器(eTrex Legend Hcx)USBケーブルでPCと接続し、Base Campの「デバイス」⇒「デバイスソフトウェアの更新の確認」をクリックすると自動的に左記のウィザードが表示されますのでそれに従うだけ! 簡単です。

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Software 修正後にGarmin GPSをクリアしてから走行ログを採取して日付の確認を行なったところ、左記の通り見事に蘇えりました。

やはりGarminの様な専業かつユーザーベースの大きいメーカーは安心ですね。 ありがたく、この古い機種を継続使用することにしました。

壊れなければですが・・・・でも、そんな気がしない頑丈な製品です。

  

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この問題に関するGarmin社のサポート情報はあまり整理されておらず、新しい対策がリリースされているにも関わらず古いニュースレター

Web上に残ったままだったり、肝心な情報が見やすく案内されていなかったりで、ユーザーから見れば対応方法を間違えてしまう危険性が

大いにあると感じました。 

今回の問題も会社的にはしっかり対応している様なので、アナウンスを代理店に任せずにGarmin社として管理された情報をリリースして

戴ければグローバルな大会社として高く評価出来るのにと残念に思ってしまいます。 まあ個人的には好感を持っている会社ですけど。

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