今日は近所にある独立行政法人 放射線医学研究所で施設と業務内容の紹介を兼ねた一般公開がありましたので、見学してきました。
見学の感想の前に放射線医学研究所について簡単に紹介をします。
注)今日の日記は文章がだらだら長くて難解なので、本人以外は最後まで読む気になれないかも知れません。
【1】組織案内
REMATとは Radiation Emergency Medical Assistance Team
のAcronymで、日本語では「緊急被ばく医療支援チーム」と命名され、
福島原発事故の1年前の2010年1月に独立行政法人 放射線医学研究所が発足させた組織です。
このチームの発足後のわずか1年後にあの福島原発の大事故が発生し、事故の被ばく者の除染、治療、事故復旧チームに対する放射能対策
サポート等々、現在も継続して支援を提供しているとのことです。 この様に専任化したチームがなければ、事故復旧作業は更に混乱したと思われます。
REMATの活動案内
さて、独立行政法人 放射線医学研究所 (以下放医研またはNIRS:
National Institute of Radiological Sciences)とは何を研究して
いるのでしょうか? 私はこの研究所の近所に住んでいて、近くにも職員の方がいらっしゃるのですが、活動内容については殆ど知りませんでした。
今年初めて?かどうかは不明ですが、一般公開される
とのチラシが学校、街角、公民館に大々的に貼り出されたので、短時間であったのですが見学
に行って来ました。
放医研の活動は、端的に云うと基本は『被ばく治療とか放射線を使った直接的な医療研究はもとより、放射線に関わる広範囲の技術・理論・実験
等を通じて、様々な範囲に亘る病気の診断・治療・予防その他のあらゆる医療に貢献すること』の様です。(違っていたらごめんなさい)
それ以上の詳細はここで書くとキリがないし、自分では難しすぎて正しく書けないので下記URLの研究領域・活動のページを参照して下さい。
http://www.nirs.qst.go.jp/rd/index.shtml
【2】見学開始
これが、今回公開されるプログラムです。 さて、何処から見たら良いか・・・
ヘリポート、一周130mから60mもある巨大なシンクロトロン(加速器)、サイクロトロン、その他 我々が日常では決して目に触れることのない放射線
設備が広い敷地内に点在しています。
まずは順路通りに進み、最初は放射線測定車です。 中を見るとキャンピングカーのキッチンを思わせるテーブル
と棚が積載されています。このテーブルの上に、測定器を置いて放射線量その他を測定します。 性格上、放射線シールドはしていないので、測定機器、
測定担当者共に被ばくします。
いざとなったら大変な仕事です。 その横に放医研専用の救急車があります。 ストレッチャーに乗せた患者2名と、着座可能な患者4名を搬送すること
が出来ます。
放射線検査測定車 測定車の中 NIRS救急車と測定車 放射線測定器が沢山積載されていた
次の展示は、被ばく者の処置室です。 ここで働いている方はお医者さんと技師の様です。 原発事故の際も相当数の作業員の方がこのベッドの上
で被ばくした放射線の種類とか被ばくの程度を調べ、その結果ですぐ横の病院で投薬等の処置をするそうです。 何やらナマナマしい雰囲気です。
私も、横にあった簡易型測定装置で調べてもらいましたがOKとのことでした。
ここで「小さい女の子が被ばくした場合、卵細胞の遺伝子(DNA)に変形が発生し、成人になってから妊娠すると、チェルノブイリの様な奇形児が生まれ
る確率が高くなるのでしょうか?」と質問。
回答は「子供ではなく妊娠初期の成人女性が強度の被ばくを受けた場合が一番危険であるが、受精卵DNAの変形が著しければかなりの確率で
流産となると思う。 子供の卵細胞DNAの変形については何とも断言できないが、妊娠しずらい、流産しやすい等々の理由で奇形児が出産に
至るケースは極めて少ないと思われる。」とのことです。 男の場合は被ばくによる他の重度障害が発生した場合を除き問題外と言われました。
もうひとつ、自然界の放射線量の年間平均被ばく量は世界平均で2.4mSvとなっており、日本の年間平均被量は1.5mSvと言われているが、
この差は何故?」
回答は「日本は高度が低いので、太陽風、宇宙線から受ける放射線量が低い。 世界平均の高度は日本よりも高いので自然界の放射線量が高い
と考えられる。 我々が問題としているのは年間で100mSv以上のレベルの被ばく量受けた場合の病理的な被害である。 飛行機の乗務員は
かなりの放射線を自然界から受けているが極めて健康である」とのことでした。 何となく安心。
被ばく対策ですが、水は中性子の遮蔽効果が高いがその他の放射線を通してしまう。 アルファ線やガンマ線は水のシールド効果が期待できないので、
通常は鉛板を用いるとのことです。 でも放射線で一番怖いのは中性子なので、純水(純水は中性子通過後に重水に変化し、組成が安定している)
でシールドするのも悪くない。 または純水と鉛板であれば完璧だが、そこまですると重さで家は壊れ、車は動かなくなる。
被ばく者の処置室 私の簡易測定結果 OK 福島被ばく影響Proj.
次は放医研の目玉である 重量子がん治療装置 (HIMAC : Heavy Ion
Medical Accelerator Chiba)を見学をするつもりが、別棟のサイクロ
トロンが気になり、ショートカットしてしまい見学できなかった。 ここには円周160mの巨大なシンクロトロン(加速器)が設置されているので是非とも
見学したかったのですが、時間が無かったので断念しました。
説明のパンフレットによれば、「加速器は、電気の力で粒子を加速する装置です。
一般の人にはあまりなじみがないかもしれませんが、物理学や生物学などの科学、半導体の製造や食品の加工など、実に幅広い分野で利用されて
います。・・・・・・」 とあります。 要は高速に加速した電子を金属に当てて強力なX線を発生させ、がんを治療する装置とのことです。
巨大なシンクロトロンを一望に見られる訳ではないらしいので・・ま、いいか!
HIMACパンフ HIMACの概要
HIMACを見学しなかったので、次は期待のサイクロトロン。 サイクロトロンは蚊取り線香の様な渦巻状の真空パイプの中心部にイオンを注入して強力
な磁場で周回させます。 要は電磁石で加速する遠心分離機で、目的のイオンだけを抽出します。 加速の際のパラメータで抽出するイオンの種類を
変えることが出来るので、スケジュールを組んで各研究部門の要求に合ったイオンを抽出し、建物内に設置された真空パイプを通して配送するそうです。
下の中央の写真がサイクロトロン本体です。 遠心分離の際は物凄いイオンと磁力線の外部放射が発生するので、人間は建物の外に退避します。
その建物の壁の厚さは3m以上あり、出入りするドアは下右の写真の黄色い部分で段付きのくさび型をしています。 余りにもドアが厚く重いので、
開閉はレールの上を移動します。 凄いですね。 サイクロトロン本体は巨大な電磁石とパイプの塊で、電磁石の直径は2mくらいあるそうです。残念
ながら日本製ではなく、10数年前にフランスから導入したものだそうです。
==電子機器への影響と対策も研究==
抽出したイオンは医療だけでなく、高集積度ICが放射線から受ける影響度調査等にも使われるそうです。 例えば大容量のメモリICは余りにも集積
度が高くなってメモリとして蓄積される電荷量が少ないので、宇宙線などが通過した際に蓄積された電荷が一定量に達すると、メモリとして必要な電荷
が放出されてしまい、メモリロス等の障害が発生することは以前から良く知られています。 既にメモリIC製品は宇宙線対策が取られています。
また、マイクロプロセッサなどに使われるVLSI(Very Large Scale Integration) とかUVLSI
(Ultra Very Large Scale Integration) の最小
加工寸法が2010年には25nm(25 x 1/10億m)と製造プロセスの微細化に伴い、放射線によるソフトエラーの影響が危惧されています。
ソフトエラーとは、放射線粒子がIC内部のパターンを通過する際に発生する電荷撹乱で一時的なエラーが発生することを指します。 PCがハングった
時に再起動したら問題なく動作することは良くあります。 その何分の1かは宇宙線の影響かもしれません。
サイクロトロン紹介 サイクロトロン本体 サイクロトロン実験棟とドア
いよいよ最後の静電型加速器の見学です。 この実験棟の周りは小高い円周状の丘なので、この下にリング状の巨大な加速器が埋められている
のかと思って部屋に入ると・・・何と部屋は大きいのですが、加速器は部屋の片隅にチョコンと設置されていました。 ここの加速器は2組の電磁石
と高圧発生器でイオンを直線的に加速する装置だそうです。 求められるスピードがリング状の加速器とは異なりますが、こんな装置を考えた人の
頭の中はどうなっているのかな?
直線型静電型加速器の説明
【3】見学後の感想
展示物を理詰めで見て考えると解らないことだらけでストレスがたまるので、素直に凄い!と感心しながら見ると結構楽しい放医研公開でした。
原発ゼロを目指すこととは別途に、放医研の事故対策研究は今後共に拡充しなければならないことと信じて疑いません。 停止後の原子炉も
安全に廃炉化しなければなりませんし、原発のみならず、放射線を扱う場所には事故の可能性が付きまといます。 そして同じ地球上には沢山
の原子炉が稼働しています。
日本だけの話ではないのだ! また、医療分野に対する更なる研究も必要だ。 その重責の割には放医研の存在は目立たない。 そして
福島原発事故の際の放医研の活動もマスコミでは殆ど取り上げられていない。 そして必要な環境(ヒトモノカネ)が十分揃っているとは
思えない。 要するにアピールが苦手な真面目な学者集団であると感じる。 今回、放医研を一般公開した背景には自分たちの活動実績を
広く国民に宣伝する効果と、賛同した企業からの寄付金募集が狙いではないかと想像するが、その割には宣伝が下手だ。 マスコミの使い方
も下手だ。 政治的手腕もあまり感じられない。 折角、真面目に必要かつ素晴らしい研究をしているのだから、もっと国民にアピールしよう!
(私も臨床ボランティアに応募しましたが、果たして使ってくれるかどうか・・・?)
以上
最後まで読んで戴いて、ありがとうございました。
以下は付録の参考資料です。
【放射線・放射能に関する役にたつ BIglobeのQ&A引用】
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa26624.html
■Q1.放射能って何ですか?
ものすごく基本的な質問なんですが、放射能って何ですか?
よく危険だって言いますが、なぜ危険なのかもしわかる方がいたら教えてください。
ほかにもあまり関係ないかもしれないのですが、X線、中性子、ガンマ線などについても簡単でかまわないので、でききたら教えてください。
よろしくお願いします。
■Ans.1 質問者が選んだベストアンサー
●放射能というのは「放射線を出す能力」という意味です。だから、ゴジラが「放射能」を吐くのはちょっと変ですね。
●放射性同位元素
原子の中心にある原子核は、沢山の陽子と中性子がだんごになっています。「幾つ陽子があるか」でその原子が何という元素の原子なのか、が決まります。たとえば酸素なら8個の陽子。ヘリウムなら2個です。しかし、同じ元素でも中性子の数にはバリエーションがあり、それらを同位元素(isotope)と言います。どの同位元素であっても、化学的な性質は(ほとんど完全に)同じです。
同位元素の中には、いつまでも安定していられなくて、特に原因もなくぽこ、と壊れるやつがあります。壊れるときに放射線を出すので、これを放射性同位元素(radio isotope, RI)という。
これらの原子核が自然に壊れる時に出る放射線はアルファ線、ベータ線、ガンマ線です。(壊れたかけらもまた放射能を持っていることがあります。)
・アルファ線は、陽子2個と中性子2個がくっついたもの(つまりヘリウムの原子核と同じ)が飛んできます。これは紙一枚でも止まる。プラスの電荷を持っているので磁石や電場で曲がります。
・ベータ線は電子が飛んできます。放射性同位元素の種類によっては陽電子(電子の反粒子でプラスの電荷を持っている)の場合もあります。磁石や電場で曲がります。
なお、ベータ線が出るとき、一緒にニュートリノという粒子も飛び出しますが、こいつはめちゃくちゃ透過力が高い。地球など、軽々と透過できます。だったらすごくやばいのかというとその逆で、周囲の物質にほとんど何の影響も与えず、また影響を受けない。だからこそ透過力が高いんです。まったく安全。
・ガンマ線は、非常に波長が短い(エネルギーが高い)光です。X線とガンマ線は発生源が違うだけで、ものは同じです。
・X線は電子を高速で物にぶつけたときに電子が急停止する際に発生する光で、ぶつける電子の速度によってエネルギーが違いますが、医療用に用いるのは40〜150keVというエネルギーを持つX線です。エネルギーが大きいほど物を透過する力が強く、1000keV (=1MeV)ぐらいになると、人体も水も変わらない。医療では骨や組織が写真に写って欲しいので適当な透過力のX線を使っています。X線はX線管という真空管を使って発生させます。またテレビのブラウン管も電子をスクリーンにぶつけて光らせるんですが、このときに弱いX線を出しています。
・シンクロトロン放射光というのを最近耳にします。電子を高速で飛ばしておいて、強い磁場で急に軌道をまげると発生する光です。本質的にはX線と同じですが、非常に沢山の光が出てくるようにできるので、特殊な光源として最先端の科学技術研究に使われています。
●自然放射能
地面や壁土、あるいは人体、あらゆる所に微量ながら天然の放射性同位元素が含まれていて、放射線を出しています。原発の周囲で放射線が少し多い、などと言っても、インドなどでは自然放射能が日本の100倍も強い所があり、これに比べれば問題になりません。さらに、宇宙から飛んでくる放射線(宇宙線)もあります。
●核分裂生成物
原子炉で起こる連鎖反応では、中性子線、陽子線、重粒子線などが発生しています。
・中性子線は中性子が飛んでくる。これがウランやプルトニウムの原子核にぶつかると、核分裂を起こし、このときまたいくつかの中性子が飛び出す。これが別のウランやプルトニウムに...と続くから連鎖反応と言うんですね。(原爆も同じ事が非常に急激に起こっているんです。)
・陽子線は陽子が飛んでくる。プラスの電荷を持っているので磁石や電場で曲がります。
・重粒子線というのは、原子核が分裂したときに出来たかけらが飛んでくるんです。プラスの電荷を持っているので磁石や電場で曲がります。
これらの線が物にぶつかると、ぶつかられた原子核が放射性同位元素になってしまうことがあります。これを放射化と言います。
●核融合生成物
あるていどの規模の核融合反応は、地上では、水爆(水素爆弾)という形でしか実現していません。水素の同位元素である重水素、三重水素などの原子核がくっつくことによって、ヘリウムの原子核に変わるという現象です。(水爆は原爆の周囲をこれらの原子で囲んだものにすぎません。)従ってヘリウムの原子核が飛び出します。また余った中性子、陽子が飛び出します。
●人体への影響
一般の人が一生に浴びる放射線のうちの多くは医療による放射線です。
放射線の影響は、主に、活性酸素、つまり酸素イオンを作り出し、これがDNAを壊す、というメカニズムが重要です。少々の壊れ方なら、DNAを自動修復したり、単にその細胞1個が死ぬだけで済みます。しかし、多量の放射線を一度に浴びると、多くの細胞が死んだり、癌が発生したりします。また生殖細胞のDNAが傷つくと、不妊化したり、子孫に突然変異が現れることがあります。どのぐらいの量だとやばいのか、については、人体実験をしないと分からない、ということもあって、あんまり精密なことが分かっていないんです。それで、暫定的に安全サイドで決めた計算方法(科学的合理性はちょっと怪しい。厳しすぎる。)があって、これを使って管理しています。
また、放射性物質(放射能を持つ物質)を食べたり呼吸すると、体の中から放射線が出るわけで、これは危険ですね。特にヨードの放射性同位元素は甲状腺という喉にある組織に集まって、癌をつくります。これを防ぐには、まともなヨードを大急ぎで摂取して、甲状腺にそれ以上ヨードが入らないようにして排泄してしまうんです。
●医療と放射線
ベータ線は皮膚にできた癌の治療に使われることがあります。皮膚の下には透過できないんですね。
中性子線、陽子線、重粒子線、X線やシンクロトロン放射光、ガンマ線は人体深部の癌の放射線治療に使われることもあります。多量の放射性同位元素を体内に入れてガンマ線による放射線治療を行うこともあります。
また、人体に微量の放射性同位元素を含む薬を注射して、体内から出てくるガンマ線を測って画像を作る「核医学診断装置」(SPECT, PET)や、X線をつかったおなじみのレントゲン、X線で人体の断面像を撮影するX線CTなどは、医療には欠かせない手段です。
●産業と放射線
結晶の構造を調べたり、材料の傷を調べたり、機械の内部を調べたり、という検査・研究に放射線は欠かせません。また、プラスチックを硬化させるのに放射線を使ったり、農産物の殺菌や芋の発芽防止にも利用します(X線やガンマ線を使います。何の危険もありません)。
種子に放射線を当ててわざといろいろな突然変異を発生させ、その中で都合の良い性質を持つ物を選択する、という品種改良法があります。(遺伝子操作ばかりが取り沙汰されていますが、こうやって作った突然変異品種でも危険性は同じ事です。でも問題にされていない。物を知らないのは恐ろしいですね。)
投稿日時 - 2001-01-10 23:40:49
■Ans.2 別の回答
> それが人体に当たると、遺伝子などを破壊するので体に悪い
その通りです。
> チェルノブイリの原発事故や核実験などで問題なのは
おっしゃる通りです。北欧のトナカイの肉は今でも高い放射能があるようです。
また、stomachmanの書き忘れですが、チェルノブイリでは沢山の住民が放射線を浴びたり放射性物質を体内に取り込んで被曝してしまいました。沢山死者が出て、今も医療が続いています。核実験でも、現地の住民やたまたま近くにいた日本漁船の船員が放射線被曝(核爆弾の場合は被爆と言います)しています。また少なくとも米国内で作為的に被爆させたという人体実験もあるようです。湾岸戦争では核廃棄物である劣化ウランを使った砲弾(非常に重いので砲弾に適する)が使用され、多国籍軍・イラク側共に放射線障害をひきおこしているようです。
また、ドイツのユダヤ人ホロコーストのみならず、日本軍の人体実験、米国の優性政策などで、放射線を照射して断種する(不妊化する)ということが行われたこともあります。研究施設の庭に放射性廃棄物が埋めてあった、という事件もあったなあ。
> 放射性物質が消えてなくなることというのはあるのでしょうか?
たいていの放射性同位元素では、原子核1個が1回崩壊すれば、また別の放射性同位元素になる。それが崩壊して、...を何段階か繰り返して、非放射性になります。
半減期が問題。極端に半減期が短い放射性同位元素は事実上0になると言えますが、実はそれが別の半減期の長い放射性同位元素に化けただけかも知れません。たとえば半減期を1年とすると、はじめ1kgあったものが、翌年には500g、3年目には250g, ....という風に減っていく。それに応じて放射線も弱くなっていきますが、しかしなかなか消えてくれない。半減期1000年、1万年なんてのもありますから....
> いっぺんには全部出ないんですか?
強制的に放射させる、あるいは放射しないように変化させる、というのは理論上は全部集めてきちんと仕分けし、原子炉などで処理すれば不可能じゃないでしょう。でも、実際にはコスト的にも設備的にも技術的にも無理です。せいぜい、集めて穴に埋める(地下水で漏れ出ることもあります)。上から土を掛けて埋める(土を通る間に放射線がかなり吸収され、あまり出てこない。でも雨水の浸透で地下水へ入っていく。)。コンクリートで固めてドラム缶につめて深海に沈める(ドラム缶がさびて...)。そしてとびきり怖いのが、洗って薄める。です。
また、1970年代頃から沢山作られた日本の原発も、寿命である30年が近づいています。原発を解体するともの凄い量の放射性廃棄物が発生するので、多分土饅頭をかぶせて埋めちゃうしかないと思います。
> 数キロ離れた所から観察していた
少なからぬ人が放射線障害を発症した、とうろおぼえしてます。
●核廃棄物、核被爆、などは、Webをさがせば、いろんな情報が集まると思いますよ。
投稿日時 - 2001-01-11 13:27:25