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我が家のBromptonM3Lと呼ばれるモデルで3速の内装変速機が装備され、折り畳み性能がピカイチの小型自転

です。 慣れれば30秒以下で折り畳めるし、車体に装着された小型ローラーで押して歩くことが出来るので駅構内の移動がとても

楽です。 頑張れば瞬間で30Km以上のスピードを出すことも出来るので自転車マニアや写真家そして女性の愛用者も多い様

です。 でも暫らく使っていると3段の変速機では物足りなさを感じることも事実。 そんな人の為にM6Lと呼ばれるモデルが用意

されているが内装3X外装2段の構成になるので構造が複雑になって私としては少々敬遠してしまいます。

 

そこで、純正には含まれませんが内装3段の変速器を同じ部品メーカーがラインナップしている5段タイプに変更することにしました。

その為に内装変速機と一体化した後輪ハブを5段の物に交換しなければなりませんが、面倒なので別途内装5速変速器を

装備した専用ホイールを組むことにしました。 内装変速機を装備した小径車はスポーク長が極端に短いのでホイール組が難し

そうです。

 

  

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(1) まず、ホイールの組み方を勉強します。 参考図書やウェブサイトで調べてみると結構論理的な思考と経験が必要な作業である

と感じました。   まず、写真を撮ってスポークの並び方を勉強します。 Bromptonの前輪はラジアル組、後輪はクロス4本組

と呼ばれる方法で組みます。 クロス4本組とは写真の通り 同色のスポークがハブ側の穴4つ分を一組にしてクロスさせながら組む

方法で、駆動力がかかる後輪に多く使われます。 注意点としてエアバルブに空気入れのヘッドがきちんとセット可能なスペースが

確保できる位置を確認します(写真の赤丸部分)。 これらを理解すれば簡単そうですが・・・・・そうは行きません。

 

(2) 純正スポークやリムは小径車専門ショップのIKDから調達しました。 ディープリムも考えましたが、ブロンプトンにはそこまでのパフォー

マンスを求めてはいないし、スポークも特注になってしまうので安心の純正構成でホイールを組むことにしました。

 

(3) 初めて気が付いたのですが、スポークの穴は中心線上ではなく、左右にオフセットしているのですね。

右よりの穴には右側のスポークが入り、左よりの穴には左側のスポークが入ります。 リム組の時には要注意です。

 

  

 (1)                                    (2)                                                    (3)

 

 

(4) 「内装変速器付きのハブに全部のスポークを入れてからリムに組み込む」が主流なので、その様にしてみました。

そして片側からリムに通して行きますが・・・・・短いスポークに不慣れな為、スポークが ぐじゃぐじゃにクロスしてしまったので中断。

諦めて全てのスポークを抜いて片側ずつ組み込むことにします。 

この内装変速器は Sturmey Archer S-RF5(N)型で、Bromptonオプションの外装2段変速器を付けると何と10

ギア構成が実現できます。 但し、今回は5段で行きます。

 

(5) クロス4本組で片側のスポークを通してニップルで軽く固定します。 イイ感じです。 これから反対側も同様にスポークを通して

行きます。  

 

(6) もう一方のスポークを通そうとしましたが、長さが足りなくてニップルが固定できません。 それもその筈、ハブとリムの位置が写真の

様にひしゃげてしまってびくとも動きません。 スポークが短いのでこんなことになってしまうのだと思います。

仕方が無いので再度全て外して最初から始めることにしました。

 

  

 (4)                                                 (5)                                                  (6)

 

 

(7)  元々の後輪を持ち出してお手本にしながら、組み付けることにしました。

 

(8) 上下左右と表裏をバランス良く組み込んで行きます。 今度こそ大丈夫そうです。

    

(9) 今回はバランスが良いので全てのスポークがリムに固定出来る様になりました。

 

  

(7)                                                   (8)                                                  (9)

 

 

(10)それでも、時々こんな感じで組み込み済みのスポークが邪魔して新しいスポークが入りません。 こんな時は迷わず組み込み済みの

スポークを外して全てのスポークを定位置に固定して行きます。

 

(11)ようやく全てのスポークが定位置に収まりました。 今回の失敗経験があるので、次回からは一発で決まると思います。

 

(12)最初の組み込み時はニップルをマイナスドライバーで均等に締め付けてスポークの張りを規定値に近づけます。 但し、スポークが短くて

テンションメーターが入りません。 仕方が無いので、小型ハンマーで軽く叩きながら音でテンションを確認します。

 

  

(10)                                                (11)                                                  (12)

 

 

(13)何とか形になって来ました。 これから振れ取りや位置決めの作業を行ないます。

 

(14)スポークを握ったり全体にストレスをかけてスポークとリム間の馴染みを出します。

 

(15) さて、ここでパークツールの振れ取り台の登場です。 今まで使っていたホイールと比較しながら新ホイールの位置決めを

行なうことにしました。  

 

  

(13)                                                  (14)                                                  (15)

 

 

(16)今まで使っていたホイールを使って振れ取り台のゲージの位置決めをします。 この方法が出来ればセンターゲージも不要です。

 

(17)新ホイールをセットして位置を確認したところ、少し右寄りです。 全体を左に寄せるにはハブの右側から出ているスポーク全部を

1/4回転ずつ緩め、左側から出ているスポーク全部を1/4回転づつ締め込みます。 これを繰り返しながらリム全体が規定位置に

収まる様にこの作業を繰り返します。 ニップルを廻す量は1/4回転づつと決めた方が混乱しないので結果的に早いです。

 

(18)縦振れは180度反対側の数本のスポークグループ同士とコンビネーションを取って調整します。 正確な手順はガイドブックやネットに

説明されているのでここでは省略しますが、とにかくテンションを規定値に維持しながら縦振れ、横振れを調整するのは大変です。

根気勝負ですね。 アマチュアの場合はじっくりと時間をかけるしか無いでしょう。

 

  

                              (16)                                                   (17)                                                  (18)

 

 

 (19)振れ取り作業が終わってから全てのスポークテンションの測定を試みましたが、スポークが短すぎてテンションメーターが入りません。

 

(20) 仕方が無いので今まで使っていたホイールと打音を聞き比べて確認しました。 ドライバーの先でスポークの中央部をピアノの調律師の

様に軽く叩いて音で判断するしかありません。

    例: ガチャガチャ・・ダメ、 ゴンゴン・・ダメ、 ビンビン・・ダメ、 澄んだ音でポーン+余韻・・OK ,

これで暫らく様子を見ることにします。

   

 

                          (19)                                                (20)                   

 

Brompton 5速化 に続きます。

 

 ロードバイクに長く乗っていると自分で手組みのホイールを組んでみたいとの誘惑にかられますが、今回は  

 ミニベロしかもスポークが短いので本格的な手組みの良さなど感じることは出来ませんでした         

 でも小径ホイールならではの難しさを実感することが出来ました。 今回はホイール組の序章として将来の  

 糧になったかな? と自己満足はしています。                                                                 

 

以上