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昨年の3月にフロント・ブレーキパッドをDIYで交換しましたが、リア側のパッドは若干の余裕があったので交換しませんでした。
然しながら先日、ディーラーで車検前の事前点検を行なったところ、リアブレーキパッドの残厚が3mmとなっているので、パッドとローター、
そしてセンサーの交換が必要で費用は63,800円とのことでした。 それならばと、いつもの通り自分好みのブレーキパッドを使ってDIYで
交換を行なうことにしました。 手順は昨年3月にブレーキ交換の様子を日記にアップしていますが、E46はリア側独特の注意点があるので
再度日記に書き留めました。
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(1) 作業前に必要なパーツとツールを準備します。 ブレーキパッドは前ブレーキと同じAte製にしました。 パッドの角は予め少しだけ削って
肩を落としておきます。 その他特別なものは、パッドグリス、Cクランプ、トルクレンチ、ブレーキオイルを抜く為に使う注射器の様なポンプと
7mmアレンレンチ程度です。 リア側もフロント同様にスライドピンを抜く際に7mmアレンレンチを使いますが、BMW E46のリア側は
少々面倒な部品配置になっているので下記(2)の説明で作業方法とツールを補足しました。
(2) この写真はスライドピンを抜く為の7mmアレンレンチを撮ったものです。 写真(7)と併せて見て下さい。
通常は@のアレンレンチに適当な金属パイプをかませてネジを緩め、緩んだらアレンレンチだけでスライドピン(正式名:Caliper Guide Bolt)
が抜けるまでCCW(反時計)方向に廻すのですが、近くにショック
アブソーバーやキャリパーの凸凹があるので一度に180度程度しか
廻せません。更にスライドピンはゴム製シールの中を通過しているので、ネジが最後まで廻り切ったのか手の感触では分からない為に、多めに
緩める必要があります。 L型アレンレンチだけでは結構時間がかかるし面倒です。
従って写真の@セットで堅く締まったネジを緩め、一度緩んだらAセットの平型ラチェット式メガネスパナに7mm
Hex ビットを差し込んで
チャリチャリと廻せば簡単にスライドピンを抜くことが出来ます。 Bは締め付けの際にトルクレンチを使うのでソケット底径3/8"(9.5mm)
Seq.の7mm Hexビットを用意しました。 右側のラチェット用超ロング7mmビットは非常用に用意しましたが、使いませんでした。
(3) いつもの様に部品/ツールリストと手順書に従って準備し、作業を進めます。 やはりブレーキ系の作業ミスは許せません。
(1) (2)
(3)
(4) あまり良い使い方ではありませんが、坂道でガレージ・ジャッキを横にして使っている写真です。 良い子は真似してはいけません。
でも、バックアップ安全措置としてタイヤを車体の下に置いておきました。
(5) 作業前にブレーキ液を少々抜いておきます。 理由は前輪の作業日記にも書きましたが、パッドが厚くなったぶんだけブレーキオイル
が押し戻されてリザーバタンクから溢れないようにする為です。
(6) 大型マイナスドライバーでこじってAnti-Rattle
Clip(バネ)を外します。 後ろに光って見えるのは、7mmアレンレンチでスライドピンに
差し込んだところです。
(4)
(5)
(6)
(7) これがリアブレーキ交換時の大きな問題です。 後ろ側に余裕がありません。 通常のアレンレンチは使えますが、周りのパーツや
キャリパーの凸凹にぶつかって180度程度しか廻せません。 何度もレンチを抜き差ししてネジを廻すのは面倒です。 おまけに
スライドピンはゴムブーツで囲われているので、ネジ山からボルト部分が完全に抜けたのか否か感触では分りづらくなっています。
ラチェットレンチを使うと、初めのうちは良いのですが、スライドピンが抜けてくるとラチェットレンチの背中がショックアブソーバーにぶつかって、
廻すことも抜くことも出来なくなります。 従って(2)の写真のAの平型ラチェット式メガネスパナを使うと作業が大変楽です。
(8) スライドピンが抜けたら大型マイナスドライバーを使って、キャリパーを分離します。 こじることにより結果的にブレーキピストンを押し戻
しているので慎重にゆっくりと分割します。 この大型マイナスドライバーと時々使う小型のマイナスドライバーは、もう何十年も愛用して
いますが、サイズと使用されている金属が頑丈なのか全く狂いや捩れが発生していません。 良い道具はDIYであれば何十年も
使えるのだと改めて感じます。
(9) 全体的にバランス良く慎重にごじって行きます。
(7)
(8)
(9)
(10) だんだんと隙間が大きくなってきます。
(11) ようやく分割されて、手前側ブレーキパッドが外れました。
(12) ブレーキパッド残厚3mmの写真です。 でもブレーキ残厚警告ランプはまだ点灯していませんでした。
(10)
(11)
(12)
(13) あとは前輪のブレーキパッド交換と全く同じです。 バンジーロープを使ってピストンが付いた方のキャリパーをぶら下げます。
(14) 右後輪側に付けられたパッド残厚センサーは擦れた跡さえもありません。 当然再利用します。
(15) ブレーキパッドが厚くなるので、その分だけC-Clampを使ってブレーキピストンを押し戻します。(適当で可)
(13)
(14)
(15)
(16) これがキャリパーを繋いでいるスライドピン(正式名:Caliper Guide Bolt)です。 左右キャリパーに各2本あります。 ピンの
上側は7mm Hexのヘッドになっています。 少し表面が錆びているのか、いくら擦っても黒い部分が消えません。 特に問題は
無いと思われるので、マニュアルの指定通りグリスを塗らずに再利用します。 以下の手順はフロントブレーキ交換の際と同じです。
(17) あれれ・・これは・・・リアショックアブソーバーのバンプラバーが破断して落ちてしまった様です。 バンプラバーはリアショックがボトムした
(大きく縮んでボディに当る)際に、ボディを衝撃から保護するバンパーです。 堅いスポンジの様な樹脂製品なので経年変化でボロ
ボロになったと思われます。 まあ、この状態でも機能的には問題ないので後日修理することにしました。 でも、この部品を交換する
為にはリアショックアブソーバーを外す必要があるので、多くの場合は一緒にショックアブソーバーを交換するケースが多いそうです。
この車の場合はショックアプソーバーからオイルも漏れていないし、バンプラバーの応急処置だけで問題ないかと思いますが、自分の
心の中ではビルシュタイン B4ショックに心が動き始めています。 イカンイカン!
(18) タイヤの磨耗もかなり進んでいます。 来年1月で廃車するつもりであったので、全体的に交換しなければならない箇所が沢山出て
来ました。 車検前の見積点検では前輪溝2mm,後輪溝 3mm (新品 8mm,
法定限度 1.6mm)と使用限度ギリギリでした。
このタイヤはブリヂストン TURANZA ER300 225/45R17 でE46 320iにベストマッチのプレミアムタイヤです。 車検前には
ミシェランかピレリのコンフォート系タイヤに交換しようと思っています。
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(19) 作業完了! もう一度作業手順と残部品、ツールの回収等を確認した後にホイールをセットして 105Nm+αで締めて行きます。
(20) 例によって、走る前にエンジンをかけてブレーキペダルをポンピングしオイルをブレーキシリンダ側に押し戻します。
そうするとブレーキオイルのリザーバ・タンク液面が下がりますので、必ず適量に補充します。
(21) ブレーキキャリパーを覗いて自己満足。 キャリパーに青か赤の耐熱塗装をした方が良かったかなと少々後悔。
(19)
(20)
(21)
リアブレーキはフロントブレーキ程の加重が掛からないので、パッドを交換してもブレーキフィーリングには顕著な変化が現われない筈です。
そこで、作業完了後に試運転をしたところ、交換前と比べて僅ですがブレーキの効きがジワーと絞り込む様な感じの安心感を与えてくれ
る様な感触を得ました。 以前にフロントをAte製に交換していたのでリア側パッドの交換前でもブレーキフィールは良いと感じていましたが、
更に磨きがかかった感じです。 まあ、比較と思い込みの問題ですが、やはり純正部品ではなくてAte (アーテ;Made in Germany)製
のブレーキパッドは私の好みであることは間違いないと感じました。 プラシーボ効果? いやいやそんなことはありません。
作業日: 2014年11月12日
走行距離: 77,854 Km
★★★★ 以前にも書きましたが、個人的に自動車の足回りのメンテナンスを行なうことは法律的に容認されています。 ★★★★
★★★★ 但し、他人の車両をメンテナンスすると違法になります。 とは言え、ブレーキやステアリング部分は安全面では ★★★★
★★★★ 大変重要な部分ですので作業前には正規マニュアルを熟読すると共に十分な事前調査や、手順書を作成する
★★★★
★★★★ 等の作業ミス防止措置が必要です。 更にトルクレンチを含めた適切な工具の調達も必須です。
★★★★