2013年3月5日 (69,307km)にバッテリーをDIY交換してから早や3年。 今年の6月に入ってドアロックが解除

出来ない事態が発生。 調べてみるとバッテリーが完全放電していた。 まあ、10日程エンジンもかけずに放置していたし、

梅雨時で湿度が高くて自然放電が進んだ可能性も考えられるので、取敢えず再充電して暫らく様子を見ていた。

その後、7月に入って再度バッテリーが完全放電。 再度、充電を行なうが数日で電圧が12V 以下に低下してしまうこと

から、やはりバッテリーの寿命と判断した。このバッテリーは当時、2年使えれば良いと購入した格安品なので結果的に3

使えたので仕方が無いだろう。 そこでバッテリーを交換すべくネットで調査したところ、全く同じ「FullPower 571-13

(12V 71A)」が3年前と同じ価格で販売されていることを発見。 格安でも3年間使えるのであれば同じ製品を再購入

しても損はない。 しかも2年の保証付。  その格安価格とは送料、消費税込みで \8,980と新品では群を抜いている。 

今回はバッテリー以外にも車本体の漏れ電流(暗電流)増加が心配なのでバッテリーの交換に併せて測定することにした。

暗電流とは全ての電装品をオフした駐車状態に於いてバッテリーから流れ出す電流を指し、この値が規定よりも大きい

とバッテリー上がりが発生し易くなったり、バッテリーの寿命を縮めたりする可能性がある。

(以下記事のサムネール画像をクリックすると拡大します)

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(1) 注文先は前回と同じ福岡の「バッテリーストア」。 ネットで注文してから二日後に佐川急便で到着。 梱包の状態は

問題ありませんでした。

 

(2) 電解液は既に封入されていて充電しなくてもそのまま使えます。 新品の電圧は無負荷で12.5Vでした。

 

(3) BMW E46はバッテリーをトランクルーム内に配置しています。 以下の順番でバッテリーを外します。

@    バッテリーのマイナス端子を外す。(最優先です)

A   固定金具を外す

B   バッテリーのプラス端子を外す。

C   バッテリーのガス抜きチューブを抜いてからバッテリーを車体から下ろす。 重いので腰を痛めないように注意。

 

  

(1)                                                         (2)                                                         (3)

 

 

(4) トランクルーム内で電流測定を含む作業を行なうので、擬似的にトランクのクローズ状態を作り、トランクが開いた状態でも

照明ランプ等をオフさせて消費電流をカットします。 その方法は簡単です。 写真(4)の様にトランクリッドの固定ラッチ部分を

ドライバーの先などで押し込むとカチンと音がして擬似クローズ状態になります。 戻す際は通常使用時と同様にトランクリッドの

オープンスイッチを軽く押すだけです。

 

(5) 新しいバッテリーを所定の位置にマウントし、プラス側から配線を接続します。 漏れ電流の測定を行なうのでバッテリーの

マイナス側はまだ接続しません。

 

(6) バッテリーのガス抜きチューブの取り付けを忘れぬこと。 位置は写真(6)のとおり。

 

  

                  (4)                                                    (5)                                                            (6)

 

 

(7) 正規ディーラでは漏れ電流(Dark Current)を測定する際に専用工具を使いますが、こちらはアマチュアなので普通の

テスターを使います。 メンテナンスマニュアルではかなり大雑把だが 『追加アクセサリの量にもよるが100mA 以下が

正常値であり、400mA を越した場合は明らかに異常である』 と記載されています。

こんな大雑把な数字では納得できないので、更にバッテリーメンテナンスマニュアルを調べると期待値として下記が記載され

ていた。 期待値とは社外カーオーディオやナビゲーションシステム、その他セキュリティ機器などを取り付けていない状態での

値と想定されるので、これらを装備した場合は60mAから100mA と考えても良いと思われる。

もし、100mAの場合、単純計算で1日で2.4Ah, 10日で24Ahが消費される計算になる。 今回購入したバッテリー

の総容量は71Ahなので新品でも計算上は1ヶ月で容量の100%を消費してしまうことになる。

Series E36: 30mA

Series E38: 50mA

Series E39: 40mA

Series E46: 40mA

X5,Z8: 40mA

 

(8) テスターを使った場合の測定回路図は図(8)の通り単純で、バッテリーのマイナス端子側に流れる電流を測定することに

しました。 注意点はテスターには大電流を流せないので、測定するとき以外は図の青線で示す様にバイパス線を接続

する必要があります。

何故なら、テスターでの測定レンジは300mA以下、測定の際にはドアロックを解除する等の操作が必要でルームランプ

の点灯やドアロック/アンロックモーター作動で数アンペア以上の電流が流れるからです。 

これでは精密なテスターは壊れてしまいます。 

 

 

                (7)                                                      (8)

 

 

(9) 測定に使う線は細めですが、手持ちのワニ口クリップが付いたジャンパー線3本を使うことにしました。 本来は赤、黒、

青等のもっと太い線を使うべきですが、我慢することにしました。

勿論、これらの線を接続した状態でエンジンをかけたり、ライトを点灯させたりしてはいけません。

 

(10)     手順1:赤いテスター棒をワニ口クリップが付いたジャンパー線を使って車体のアース端子に接続します。

手順2:黒いテスター棒をワニ口クリップが付いたジャンパー線を使ってバッテリーのマイナス端子に接続します。

手順3:残りのワニ口クリップが付いたジャンパー線をパイパス線としてテスターの赤棒と黒棒に接続します。

手順4:運転席に座り、全ての電装品(ライト、ラジオ)のスイッチをオフにします。 ドアーは閉めて下さい。

手順5:少なくとも5 秒以上、イグニッション スイッチをオンにした後、オフにします。 セルモーターは回さぬこと。

手順6: ドアを開けて下車し、ドアを閉じてからリモコンでドアロックします。 これはドライバーが下⾞したか否かを

コンピュータが確認している為です。(室内に居たままドアロックすると別のモードになってしまいます)

 

(11)    テスターのレンジを直流300mA測定の位置にセットし、手順3で取り付けたジャンパー線を外します。

 

  

                  (9)                                                   (10)                                                    (11)

 

 

(12)    おや?135mAもの大きな電流が流れています。 一瞬がっかりします。

 

(13)    すると、暫らくすると、ガクッと電流値が落ちました。 ホッとする瞬間です。 マニュアルではドアロック後、何と16分待って

から暗電流を測定する様に指定しています

 

(14)    20分後、テスターのレンジを60mAフルスケールに拡大して正確な暗電流値を読み取ると、 32mAに減少して

いました。 期待値の40mAよりもかなり少ないです。 これで、バッテリーが駄目になったのは車体側の機器に流れる

大きな暗電流が原因ではなくて、バッテリーその物の寿命と判断できました。 まあ・・安心しました。

 

  

                     (12)                                                    (13)                                                 (14) 

 

 

(15)    測定用のテスター棒やジャンパー線を外してから、バッテリー固定用の金具を取り付け、その後にバッテリーのマイナス

端子と車体のアース端子を接続して作業終了!

 

(16)    今回は敢えてバッテリー交換時のメモリー保護措置を取らずに交換作業を行ない、結果がどうなるかを確認すること

にしました。 その結果・・・当然ですがコンピュータがリセットされてしまい、時計や燃費記録だけでなく、トリップメーター

までもクリヤされてしまいました。 多分、運転のクセを学習したデータも消えてしまったと思われます。 しばらくは燃費

も悪くなるかも知れません。  最後にもう一度バッテリーをフルチャージさせて作業完了としました。 満充電後の電圧

13.2Vから13.0V程度になりました。

 

 

             (15)                                                              (16)

 

 

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確かにバッテリーの寿命が3年では、新車の初回の車検の前に寿命が来てしまうかも知れません。 

でも、消費電力が大きいオーディオアンプやその他アクセサリ満載の私の車ではバッテリー負荷が大きく

かつ格安バッテリーなので仕方が無いと諦めることにしました。                                 

バッテリー交換は簡単ですが慣れないと危険であること、取り外したバッテリーの廃棄処分等の  

手間が面倒なので自信の無い方はホームセンターやカーショップでの交換をお勧めします。