20001月に納車され、20175月現在でも元気に走るBMW E46 も過去に3回程、原因不明の異音に悩まされました。

音質は「ヒュー」とか「ポワ〜ン」とか金属的ではない柔らかい音で実走行には全く問題ないのですが、長時間に亘り異音を聞かされると流石に気になり、時にはイライラしてしまいます。 これらの状況は下記に箇条書きしますが、今回は3回目の対策としてエアコンのガスチャージを行ったものです。 結果として大正解。 音が全く消えたと同時にエアコンの効きが大幅に改善されました。

日本や海外のネットで事前に調査した際にエアコンガス不足で異音が発生する旨の投稿が見付からなかったので半信半疑の作業でしたが、見事に当たり! コンプレサー交換を覚悟していただけに得した気分になりました。

メモとして過去3回の異音の顛末とエアコンガスチャージについて書き留めます。

◎1回目:新車から2年半頃から時速80km以上の速度域でアクセルを踏み込むと「ヒュー」音が発生。 アクセルを離すと消滅。

◎2回目:2016年頃から同様にアクセルを踏み込むとエアーが鳴く様な「ヒュー」音が発生。 

◎3回目:上記2回目の対応後も同様に「ヒュー」や「ポワーン」音が残る。 但し、エアコンをオンにした時のみに発生する。

       

 

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【1回目の異音顛末】

2002年の秋ごろから時速80km以上でアクセルを踏み込む際に発生する異音が発生し、特に走行には影響が無いと思いつつ長時間に亘ってこの異音を聞かされるのは神経が疲れてしまいます。

幸いにサービスフリーウェイ期間中だったこともあり、走行確認も含めて全てBMWディーラーに対応して戴きました。 異音発生の状況が限られていた為に発生場所の特定が難しかった様でトランスミッションやディファレンシャルギヤの交換を行ない、最後に交換したのが分割プロペラシャフトの中央に取り付けられている「Grooved Ball Bearing」。 どうやらベアリングが特定の回転域で共鳴し、遮音性の良いボディ構造と相まって金属音ではない柔らかい「ポワーン」音となって聞こえた様でした。

異音の特定は本当に難しいと感じたトラブルでした。

 

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2回目の異音顛末】

2016年の夏頃から一般道路を走るスピードでアクセルを踏み込む際と離す際に「ポワーン」とか「ヒュー」とかの柔らかい異音が発生していました。

音質からすると何らかの原因で流体から発生する様な感じなので、以前から不安視していたブローバイガス環元装置(CCV)からのバキューム漏れを疑い、調査することにしました。

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調査を進めたところ、結果的に図2の 「7 Return Hose」が劣化して裂けていたのを発見してDIY交換しました。

その作業に付いては  【2016.11.22 ブローバイガスのリターンホース交換】を参照して下さい。

但し、音質は変化したものの、相変わらず「ヒュー」音は消えませんでした。

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3回目の異音顛末】・・今回の本題

頑固な異音に嫌気を感じ始めた2016年の秋風が吹く頃、時々異音が発生しなくなることに気が付きました。 そこでエアコンスイッチをオフにしたところ、異音は完全に停止することが判明。

確かに異音はエアコン・コンプレッサーの電磁クラッチがオンの状態でアクセルを軽く踏み込むか、離したときに発生することが確認できましたが、さて高価で交換が面倒なコンプレッサー本体が悪いのか、それとも他の場所なのか皆目見当が付きません。 

新車で購入後、16年間に亘り一度もエアコン・ガスチャージを行っていないのでガスが相当量減っているのかもしれませんが、BMWの場合は国産車の様にリキッドタンクにサイトグラスが付いていないのでガス量の不足が分からないのです。 サイトグラスとは丸いレンズの様なもので、ガスが抜けた際に発生する泡状の気体の有無を確認する窓のことです。

仕方がないので駄目元で自分でガスチャージを行うことを決断して左図のエアコンガス・メンテナンスキットを調達しました。 駄目元ならもっと簡単なものを買うか、プロに依頼する方が賢いと思いますがこれが自分の性格なのだから仕方がありません。

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さて、自分にとって初めてですがエアコン・ガスチャージに挑戦します。 ネットで手順を調べると、まず出て来るメッセージが「危険だから素人はやってはいけません」とネガティブなものばかり。

確かに、方法を間違えると特に目や皮膚に対してダメージを与える危険があるので、この程度の警告は納得できます。  そこで必須なのがアイプロテクタ手袋。 エアコンガス注入セットとR134a 200gのガス缶。 そして概ねの注入量を測定するデジタル秤。

更に気温毎にどの程度の圧力まで注入すべきかを表にした “Temperature Pressure Chart”。

あとはエア抜きノズルを押す小型ドライバーがあれば充分です。

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まずはガス注入セットの全てのバルブを完全に閉めてから赤色の高圧ホースを車両側の高圧側サービスバルブに挿入し、青色の低圧ホースを同様に低圧サービスバルブに挿入します。

ここで問題が・・・ガス注入セットの高圧側の差込アダプターが車両側のサービスバルブに入らないのです。 何度も挑戦しましたが全く駄目。 形状を調べたところ車両側のサービスバルブの形状が写真の右側、ツール側の高圧ホースに合致するサービスバルブ形状は写真の左側。かなり違います。

これでは諦めるしかありません。 そもそも追加で行うガスチャージは低圧側から行うので高圧側はモニタだけの目的でしかありません。 高圧側からチャージするのは真空引きの直後だけです。

そうそう、高圧と低圧ホースのコネクターは径が異なるので間違って接続することはありません。

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ここまでの経緯から振り返ると、エアコンの追加ガスチャージだけの目的であれば左図の低圧側専用ガスチャージホースで十分であったと半分後悔の念にかられてしまいます。

このホースであれば通販やアストロプロダクツのお店で安価に購入することが出来たのです。

カーエアコンガスは通販やアストロプロダクツ等の工具店で 200g HFC-134a が1缶500円程度で購入可能です。 私は2缶購入しました。

 

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カーエアコンガスは殆どがHFC-134aですが、念のために各車両のボンネット裏に記載されている使用ガス種別と最大ガス量を必ず確認しましょう。

BMW E46の場合も最もポピュラーな R134a を使用し、最大のガス量は740±25gであることが分かりました。

 

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ガス缶にアダプターを取り付けて黄色ホース(ガス充填用)に接続します。 

手順は

@   アダプター穴あけスクリューをCCW方向一杯に緩める。

A   アダプターをガス缶に固定する。

B   アダプターを黄色ホースに接続後、穴あけスクリューをCW方向一杯に廻して缶に穴を開ける。

C   穴あけスクリューをCCW方向に廻してバルブを開けてガスを黄色ホース内に流し込む。

D   ガスチャージャーのエア抜きバルブをドライバーの先で押して、黄色ホースのエア抜きを行う。

上記、一連の作業中は必ずアイプロテクターと手袋を装着して下さい。

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BMW E46の場合、ガスを流し込む低圧ホースはエンジンルーム奥の左側、高圧ホースは手前の左側のサービスバルブに差し込みます。

差し込む方法は、ホースのロックリングを手前に引いて(リセット)からサービスバルブに押し込むと ロックリングが自動的にサービスバルブに嵌め込まれてホースがロックされます。

外す場合はロックリングを手前に引きながらホースを引っ張ります。

今回は残念ながら高圧側のホースが固定できませんでした。 真空引き直後を除いて通常のガスチャージは低圧側から行うので大きな問題ではありません。

 

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ガスチャージャーにはフックが付いていて写真の様にボンネットに引っ掛けると作業がやり易いのですが、先に行った黄色ホースのエア抜きの際に飛び出したガスや液体が目に入ると失明の危険がありますので、ガスチャージャーの正面に立ってのエア抜き作業は行わないで下さい。

私はガスの液体が飛び出すまでエア抜きを行います。

まだエンジンは廻さず、低圧・高圧側のバルブは閉めたままにして下さい。

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写真の R-134 Temperature Pressure Chart はコンプレッサーが稼働中の低圧側と高圧側の圧力を示しています。 圧力値は気温により異なるので、この表は作業時には必須です。

例えば気温が24℃の場合、低圧側は 35-45 psi (241-310 kpa)となります。

 

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低圧ホースをサービスバルブに接続するとバルブが閉まっていても、左写真の様に圧力のモニタは可能です。 低圧側の圧力が異常に高く表示されますが、実際の測定はエンジン(コンプレッサー)を廻した状態で行うので、この値は無視します。

この状態では高圧側と低圧側の圧力は同じ値を示すと思います。

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ガスチャージ作業前に車両側の暖機運転は完了させておき、エアコン温度設定を最低、ファンは弱にセット、窓を全開にしてエンジンをスタートさせます。

エンジンスタート後、コンプレッサーが回転していることを確認し、低圧側の圧力を見ると 30psi と表示されていました。 この時の気温は25℃だったので、表の値と比べると約 5-15psi程低い値となっていますが、思ったほど低下していないのは意外でした。

尚、ガスの液体がコンプレッサーの低圧側(入力側)に流れ込むのを防止する意味で原則的には缶は逆さまにしません。 もし、ガス缶から液体が流れ込むとガスチャージャーのサイトグラスで分かりますので低圧バルブを一度閉めた後に少しずつ開けて霧状にして吸い込ませれば大丈夫です。

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低圧側の圧力が規定値まで上昇する前にガス缶が空になってしまう可能性があります。

あくまで目安ですが、ガスチャージ前の缶の重さを測定しておき、200g減少したら2本目の缶と交換すると良いと思います。 私は2缶使用しました。

 

 

 

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ガスチャージ中は、ガスの送り出しを促進する為に缶を揺さ振って気化を促進させます。

また、ガスチャージ中は缶が結露する程に温度が低下して気化しにくくなりますので、ラジエターファンの風で缶を暖めるのも有効な手です。

この際もガス漏れの可能性があるので手袋とアイプロテクターは装着して下さい。

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今回の作業で2缶を使いましたが低圧側は 37psi以上にあがってくれません。

理由は不明ですが、ギリギリ規格内の数値に上昇したので、これで良しとしました。

そこで試運転に出かけたところ、エアコンの効きが飛躍的に向上!

それよりも何よりも、この作業を境にあの悩ましい「ヒュー」音が消えたではありませんか!!

今迄にネット等の情報で確認出来たことはありませんが、ガス量が減少すると高圧側の気泡が増加し、それが配管やエバポレーター(室内側熱交換器)の金属壁にぶつかった際にヒュー音が発生するのでしょうか? やはり、高圧側のサイトグラスは欲しいですね。

 

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作業後に念の為にINPAダイアグツールで エアコン関係のIHKAモジュールのステータスログを参照しました。

意味が分からないグラフが多い中で エバポレーター センサー温度が6℃まで低下したことが確認できましたので、作業は成功と言っても良いでしょう。

とにかく手間とお金のかかるエアコン関係の故障ではなかったことはラッキーでした。

 

 

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