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+++Step 3 アクチュエーター メカの取り付け ++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

このステップではドアのLock/Unlockを行なうアクチュエーターメカを取り付けます。 今回の作業で一番時間を要し、想定外の

ことが発生しやすいので、十分な時間を確保してから作業を開始する必要があります。 私は実質2日間要しています。

 

 

(18) まず、運転席側のドアから開始します。 ドアの内張りを剥がす前にウィンドウガラスを上下するハンドルを外します。

手回し式レギュレーターは最近の車とは違ってメカっぽくて細かい調整が出来るので私は嫌いではありません。 レギュレーター

ハンドルの裏側に写真の様な抜け防止のクリップがあるので隙間からマイナスドライバーを使って押し出します。 ヘタをすると

何処かにすっ飛んでしまうので要注意。

 

(19)ドアの内張りはパーチクルボードにビニールシートや化粧生地を貼ったもので、無理矢理引き剥がすとボード固定クリップ周りの

穴が崩れて広がってしまいます。 クリップ外しをオスーメスクリップの間に突っ込んで一個ずつ丁寧に外して行きます。

 

(20)内張りが外れました。 更にドア鉄板の開口部には雨水が入り込まない様にビニールシートが貼ってあります。 ビニールシート

の縁の黒い線は接着と防水を兼ねたプチルゴムの両面テープです。 ビニールシートは再利用するのでプチルゴム部分にナイフを

当てて引っ張りながらプチルゴム部分をカットして行きます。 防水用プチルゴムは柔らかいので再接着の場合は、ビニールシート

の位置を合わせてから黒い部分を指で押せば、再度くっついてくれます。 もし、ゴムが硬化していた場合は前編の写真(5)に紹介

されている「全天両面プチルテープ」を適宜カットして使用します。

 

  

(18)                                         (19)                                                    (20)

 

 

 

(21)JIMNY JA11の場合はドアと車体を接続するケーブルダクトがないので新規に穴を開けてケーブルを通します。  この写真はドアの

内側から前方を写したものです。 穴の直径は12mm程度です。 電動ドリルと電動リーマがあれば作業は簡単に済みます。 

但し穴を開ける位置を見極めないと、ウィンドウガラスが下がった時にケーブルと干渉してしまうので要注意です。 

もし、この記事を参考にする方は自己責任にて位置決めや加工をして下さい。

 

(22)ドアと車体側の両方に穴を開けました。 ドア側はドア断面進行方向の外側一杯で、かつ車体側のドア開閉スイッチの上8cm位の

位置に穴をあけました。 車体側はドア開閉スイッチを外した穴(13.5mmф)をケーブル用に使用します。

但し、ドア開閉スイッチを移設する穴を別途開けて下さい。 上記同様に自己責任で位置決めや穴開け作業を行なって下さい。

 

 

(23)アクチュエーターとプッシュロッドはこんな感じで取り付けます。 ガラスや他のロッドやメカとの干渉を避けると、この位置しかありません。

私の場合はアクチュエーターと横に走る丸棒(ドア開閉ノブから)が僅かに干渉するので、上側の固定ネジにワッシャーを挟んで

アクチュエーターのてっぺんを奥側に少しだけ傾けました。

アクチュエーター移動軸の向きは、可能な限りドアロックノブ(手で上下させる黒い棒)の移動軸と並行になる様に取り付け穴位置や

ワッシャー等で微調整します。 取り付け部の斜めの棒の角度に惑わされてはいけません。

 

  

                (21)                                                (22)                                                (23)

 

 

 

(24)ドア周辺の配線は鉄板の切り口が鋭いので必ず保護用の布テープを巻いたうえで、切り口と交差する部分には保護用の白い

ゲジゲジを付けます。 ニュースや新聞等で車好きの若者が電装品を取り付けた後にショート事故が発生して車が燃えてしまう

報道を目にしますが、電気配線は要注意項目です。 特に事故で車体が変形した場合の対策も重量です。 完成車では

素材選びも含めて徹底した保護対策が取られている筈です。

 

(25)ドア内部の配線はウィンドウガラスやその他メカと干渉しない様に、細心の注意を払って固定します。 配線ルートは写真(25)

引いた青線の様に一度底部まで落とし込んでから引き上げます。

ドアと車体を繋ぐ配線ダクトの位置と取り付け状況は写真の左側を参考にして下さい。 でもまだ改造が必要かも知れません。

 

(26)車内側の配線は先のダクトからスピーカーの裏側を経由してステアリングコラム下のキーレス コントローラーに接続します。

 

  

(24)                                             (25)                                                   (26)

 

 

 

+++Step 4 リアゲートにアクチュエーター メカを取付ける+++++++++++++++++++++++++++++

 

(27) JIMNY JA11のリアゲートは外側からキーで開けるしか方法がないので買い物や荷物の積み込みにとても不便です。 

今回のキーレス取付けのきっかけとなったのはリアゲートの施錠/解錠の不便さでした。

まず、内装パネルを外しますが樹脂製クリップのプラスネジが磨耗している場合が多く、緩めてもクリップが外れてくれません。 

周囲を少し浮かせて内装外しレバーを突っ込んでからプラスドライバーで緩めると外し易いかもしれません。

 

(28) 痛んだクリップは交換しましょう。 スズキのパーツセンターでは今でもJA11のパーツを調達することが可能です。 

1995年に販売したこの車の設計の良さと併せてサービス面でもスズキに拍手を送りたい程です。 

パーツ名:クリップ(ブラック)、 パーツ番号:09409-07318-5ES  、 価格:1個 100円 全部で11個あります。

 

(29)内装パネルを外しました。 作業前に鉄板の切り口に養生テープを貼っておくことを強くお勧めします。 私はドア内部に手を突

っ込んで夢中になって配線を通す際に、すり傷だらけになってしまいました。

 

  

(27)                                                     (28)                                                  (29)

 

 

 

(30)アクチュエーターは写真の赤丸部分に先程のドライバー側ドアと同様に取り付けます。 作業に熱中して写真を撮り忘れました。

固定穴の径は位置さえ合っていれば4.0-4.5mm程度のドリルビットで大丈夫です。

 

(31) 右リアタイヤ上の内張りを剥がして配線を通します。 ここから真上に位置するリアビラー(Cピラー)⇒ 天井と内装の隙間に

沿って右前のピラー(Aピラー)上部⇒ Aピラー内部を経由して右スピーカーの裏側⇒キーレス コントローラー の経由で配線

が通っています。 (実際に配線を通す順番は逆です。)

 

(32)前編Step2 項目(16)で作成した配線ダクトを取り付けると、こうなります。 イイ感じです。 取付け部は厚めのゴム板と

接着剤で固定します。 

 

  

(30)                                                  (31)                                              (32)

 

 

左側ドアも基本的には右ドアと同じ作業ですが配線本数が右ドア5本に対して2本で済むので少しだけ楽です。 

これで作業は完了です。  探りながら調べながらの作業だったので結構時間がかかりました。

 

 

+++おまけ編 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

(33)このキーレス エントリー キットにはリモコンが2個付属していますが、そのうち1個の動作が不安定で時々動作しなくなります。

通販の購入先に連絡するとすぐに代替品を送付してくれたので特に不便を感じないで済みました。 ヤフオクも良いのですが

やはり専門店の方が代替品のストックもある様で安心です。

不調のリモコンの中を空けて見たところ、電池ホルダのマイナス側のハンダ付け部分が異様に黒っぽい感じです。 以前に電池の

液漏れでも発生したのでしょうか? 電池の電圧は定格12Vに対して11.8Vあったので今回は電池切れでは無さそうです。

 

(34)基板の裏側を見ると後から修理した様な跡があります。  こんな物が製品として工場から出荷されたのは信じられません。 

中国で作られている工業製品が世界中に溢れている現代にこんなことを考えたくないのですが、やはり Made in China

信頼性が低いと思ってしまいます。 多分、製造元は零細企業で製品管理や出荷検査がキチンと出来ていないのだと思います。 

だから日本の企業が厳格な製造管理をしているとか、責任感のある代理店を通さないと中国製品は安心して購入できないのだと

思ってしまいます。 とにかくこの不調リモコンは非常時の部品取りとして使用しないことにしました。

(でも何年か後の中国製品の競争力は格段に高くなるのは間違い無いと思います。 日本製品は駆逐されるかもしれません)

 

(35)リモコン用電池は別途購入しました。 単四の様な形状で型番は[27A] 出力は12Vもあります。 不思議に思って中を開けた

ところLR632のボタン電池(1.5V)8個入っていました。 この手の電池は日本国内では製造されていませんが、合理的に

考えれば電子回路で昇圧せずに済むのでこんな電池を使うのもアリですね。 

 

  

(33)                                                (34)                                              (35)

 

 

 

(36)キーレス コントローラーのヒューズは10Aの写真のタイプを使います。 これは別途用意しておく必要があります。

JIMNYのヒューズボックス内の他のヒューズは全て15Aです。

 

       (36)

 

 

(37)新しいリモコンキーの登録

リモコンキーの交換や追加を行なう際は、キー固有のIDをキーレスコントローラーに登録する操作が必要です。

その方法が説明書に書かれているので下記にメモします。

 

Code Learning Process.

Press the code learning switch 1.5 seconds, light flash all the time, enter into the status

of code learning, then release the code learning switch.

Press any button of remote, light go out and flash up again, then means the first remote

code learning succeed.

Code learning of second remote is same as the first one, at most can learn six remotes.

After the sixth remote code learning succeeded, please quit the process immediately.

There are five seconds left to learn the next remote after the former remote, if within the

five seconds, there is no any action, light will go out, code learning status exit.

Note: When learning the new remotes. The old remote should go with them, if not,

the code inside old remotes will be cleared out, can not remote any more.

 

注)しかし、読みにくい英語ですね。 おまけに文中の Lightなんて存在しません。 言っていることは分るのですが、

カンマが多いし文章も変なので要約を日本語で箇条書きにします。

 

1.    使用する全てのリモコンを用意します。

2.    キーレス コントローラーに付いているスイッチを1.5秒以上長押しします。

3.    コントローラー内のリレーが 「カチッ」と音を立てたらスイッチを離します。

4.    5秒以内に一個目のリモコンのボタンスイッチを押します。(どのボタンでも良い) 「カチッ」音が聞こえたら登録成功です。 

5.    同様に5秒以内に次のリモコンの登録を行ないます。

6.    全てのリモコンで同様操作を行ないます。 最高6台のリモコンが登録出来ます。

7.    5秒間何もしないと再度「カチッ」音がしますので、これで登録操作は終了。 登録後の動作確認をして作業終了。

この登録を行なう際は全てのリモコンを一緒に行なわないと残りは2度と使えなくなります。 (本当かな?)

 

 

 作業終了後にリモコンを使ってみました。  取り付けの難度はトップクラスですがとても便利です。   

リモコンドアロックは現在の殆どの車では当たり前の装備ですが、昔は手動が当たり前だったんですね。

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2018.03.22  ドア部分の配線が時々導通不良になる為、配線を改良しました。 こちらをClick!