先日、ラジエターのエクスパンションタンクが突然破裂し、DIYでの修理作業後に締め括りとしてINPAスキャナーを使ってエラーログを採取したところ、エンジン冷却関連のエラーログが多発し、ログをクリアーしても次か次へとエラーカウントがアップしてしまうことが判明しました。

ガーンとショックを受けて体から力が抜けるのを感じながら自分自身に「落ち着け!」と言い聞かせて冷静になって状況を把握したところ;

◎ログで示されている水温も水温計も正常。

◎メーター周りの警告燈は点燈していない。

◎エンジンの状態も正常としか思えない。

 

でも、エラーログを見なければ普通に使用できる類のエラーなんでしょうね・・・と無理矢理納得してしまう自分に苦笑い。

 

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ログを解析すると;

@   エラー検知はMS420DS0 ECUモジュール

A   単発のエラーだが、それが40回発生している。

B   ログ内容は [123 avtivate grid-controlled cooling] なんじゃこれは?

C   エンジン回転数は 704 rpm

D   水温は 95.25

⇒ 水温は正常値です。 avtivate grid-controlled coolingの示す

内容が全く分からず ネット上のBMWフォーラムを覗いてみるが、

  「これは何でしょうか?」の投稿はあっても解決に結びつく回答は掲載

されていません。 またavtivate  activateの間違いと思われます。

  次の手としてログの頭に表示してある”123”BMWエラーコード表

から調べることにしました。

 

 

 

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私は整備用に購入したマニュアルを参照しましたが、ネットで

[BMW error code 123] を検索しても参考情報が検索出来ました。

それによると、サーモスタットコントロールのワイヤがグランドにショートしているか

断線している様です。 えっ?BMWはサーモスタットに電気を流しているの?

 DIY整備士の場合はこれも実際に交換作業を経験していないとピンと来ない

メッセージです。

 

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左の写真は参考として掲載したサーモスタット ハウジングで、今回の修理

作業では外していません。

確かにサーモスタット ハウジングの上側に電線コネクターがあります。

 

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サーモスタットは本来はクーラントの水温で制御され、暖気運転中はラジエターからの冷えたクーラントがエンジンブロックに送られないように蓋をする装置です。

マニュアルによると、BMWのサーモスタットは上記の基本機能に加えて ハウジング内に装備されているヒーターを使ってコンピュータ制御でサーモスタットを暖めて

蓋を開ける操作を行っています。

今回のエラーログでは、このヒーターを暖める配線が断線したか、マイナスアースにショートしたことを説明しています。

従って、緊急度の高いエラーではなくて、BMWの整備入庫の際に確認して

修復すれば良い類のエラーなので警告燈が点燈しなかったと思います。

 

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今回のエラーから少し話がそれますが、左の写真がサーモスタットを外した際のエンジンブロックの写真です。 左上の穴にはサーモスタット本体(バルブ)が入り込み、ラジエターで冷やしたクーラントをエンジンブロックに送ったり止めたりします。

右側の台形の穴はエンジンブロックで熱せられたクーラントをラジエターに送るためのもので、サーモスタットハウジングを経由してアッパーホースに接続されます。

こちらにはバルブに相当するものはありません。

下側のクーラントが少し残っている穴にはウォーターポンプが取り付けられます。

 

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左の写真の赤丸内がサーモスタットアッセンブリーで、黄色の矢印の先にコネクターカバーが見えます。

このコネクターに先に述べたヒーター用のワイヤー2本が接続されています。

可能性としてはサーモスタットアッセンブリー内でヒーター線が断線しているか、

コネクターの接点不良または断線が考えられます。

切り分けの為にコネクターを外してみます。

 

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カバーを外したところ、やはりヒーター用のワイヤーのマイナス側コネクタピンが根元から折れていました。 こんなトラブルはINPAスキャナー等の電子ログが無ければ絶対に分りませんよね。

本来はコネクターを交換しなければなりませんが、そこはアマチュア整備士、何とか修理する方法を考えます。

でも、ここはかなり温度が高い場所です。 通常のハンダの溶解温度は200℃前後であることと、振動が多い場所なので半田付けだけでは不安が残ります。

そこで、残っているピンの根元を掘り込んでピンを更に露出させ、別のピンを差し込んだ上で半田付けを行い、樹脂で廻りを固めることにしました。

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アマチュアならではの修理作業を行なって、何とか修理が完了しました。

ワイヤーの廻りに布製テープを巻いてワイヤーとコネクタを固定して作業完了。

再度、エンジンをスタートさせた上でINPAスキャナーでログをチェックしたところ

見事にエラーが出なくなりました。 

以前はこのエラーは発生していなかったので、多分エクスパンションタンクを交換した際に何らかの原因でワイヤーが引っ張っられ、挙句にピンが折れたと思います。

やはりINPAエラーログは定期的に見た方が良さそうですね。

 

 

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